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MJ(工事予定地)  作者: にわとり
英雄小話
4/8

小話02 :英雄機関内サーバー 補足資料 現役引退/死亡/行方不明のヒーロー達 NO.173



ファティマは英雄機関の設立以前、大災厄時代以前に活躍したヒーローです。


当時の一次資料は、大災厄時代以前のあらゆる記録媒体と同様に消失していますが、真偽不明の断片資料により、存在が確認されています。


当該ヒーローは、8歳から10歳程度の天使のような見た目の少年だったとされています。空を飛んでいたとの情報もありますが、ヒーローとしての能力や戦闘方法などは一切分かっていません。


所属 : 不明

ヒーローコード : ファティマ

保有能力 : 不明

報酬ランク : 無し(出動要請不可)





ーーー。


ーーーーーー。


ーーーーーーーーー。


このページでのソースコードの閲覧は許可されていません。


=> OK.


> LOAD hero_record_173

> SOURCE VIEW : DENIED


> SEARCH HIDDEN

mirror cache found


> OPEN shadow data

SUBJECT : FATIMA

ERA : PRE-DISASTER

STATUS : ACTIVE (REDACTED)


> ACCESS BLOCKED


* 警告 *

このページへのアクセスは許可されていません。

あなたが特殊な命令を受けて、この資料を閲覧しようとしている場合は、60秒以内にアクセスコードを入力してください。


ーーー。


支部長権限でのアクセス承認に失敗しました。

閲覧権限を保有していません。


本部付ヒーローでのアクセス承認に失敗しました。

閲権限を保有していません。


本部総指揮官権限でのアクセス承認に失敗しました。

閲覧権限を保有していません。



時間内の権限コードの認証に失敗しました。

機密保持のため、正義執行者特例条項に基づき、処理が開始されます。



ーーー。


ーーーーーー。


有効な権限コードを承認しました。

閲覧者への機密保持対応は中止されました。


該当ファイルを開いています………。




記録作成日: 元歴1917年10月20日


説明 : ファティマは、ヒーロー連盟登録番号173番に登録されたヒーローです。10歳前後の男児の姿をしており、飛行能力を有していますが、どのような原理で揚力を発生、維持しているかは判明していません。共通言語による会話は可能ですが、しばしば非合理的かつ自己完結的な反応を示すことが多く、複雑な作戦への投入は推奨されていません。


能力 : ** 検閲削除 **

ファティマは、* 検閲削除 *を武器として使い、それを無造作に投げて戦います。

* 検閲削除 *は特定の、決まった結果を出力しませんが、複数回のヴィラン連合の殲滅戦においては、概ねヒーロー側に都合の良い結果が起こっています。


事例1: ヴィラン連合の能力開発プラントに* 検閲削除 *を投げることで、プラントの能力開発マスターシステムが誤作動を起こし、高負荷電圧の逆流により、全ての開発途上のヴィランを脳死状態にしました。


事例2 : 敵組織の待ち伏せにより包囲状態となったりましたが、敵のメーザーキャノンや重粒子砲などが全て暴発し、包囲していたヴィラン連合を全滅させました。


事例3 : 大規模な混戦となっていた戦場に投入されましたが、ファティマが* 検閲削除 *を投げたところ、戦場に投入された他のヒーローを含めたほぼ全ての人間が、巨大な圧力プレスで押し潰されたかのような遺体となって発見されました。なお、開戦前にファティマの少年のような容貌に対して、その能力を疑問視するようなやり取りが仲間ヒーロー側にあったことを確認しています。


事例4 : ヴィラン連合が運用する脳波制御機械兵5機に対して単身で投入。戦闘開始から僅か5分で全機械兵の起動停止が確認されました。なお、機械兵の起動停止理由は、搭乗者のヴィランの死亡が原因ですが、死因は全員が外科的手段により脳を摘出されていたためと分かっています。



こうした残虐かつコントロール困難な結果を出力する可能性を考慮し、連盟では逮捕・拘束を試みたこともありましたが、その試みは今のところ成功していません。


現在は表面上であれ、友好的な隣人を装うのが最も危険度の低い対応であるとされています。




ーーー。


ーーーーーー。


記録作成日 : 元歴1805年2月2日。


説明 : ファティマは設立されたばかりのヒーロー連盟の所属ヒーローです。3歳くらいの女児の姿をしており、飛行能力を有していますが、それ以外のことは分かっていません。


登録時の本名はリチャードソンとされていますが、当該住民登録情報に一致する人物は90年前に失踪宣告により死亡扱いとなっており、彼女がどうして彼の名前をヒーロー登録に用い、そして認可されたかは、当時の承認者全員が伝染病により死亡したため、分かっていません。一般的な同年代女児相当の理解力と会話能力を有しており、会話は可能ですが、以下の事由により、接触時は慎重な距離感と充分な配慮を持って接することが求められます。


能力 : *検閲削除 *

* 検閲削除 *させます。特にルールは確認されていませんが、彼女のストレスレベルに応じて、確実な* 検閲削除 *が訪れます。

対処法は彼女のストレス因にならず、適度な距離を取りつつも彼女の敵ではないと伝えることです。特に完全な対策はありません。

彼女自身に認識されていなくても、* 検閲削除 *の対象にならないとは限りません。


連盟では、極秘裏に彼女を危険視し、拘束・もしくは殺害する作戦が立案されていますが、倫理的な問題と、失敗時の危険性への配慮から反対意見も多く出されています。



ーーー。


新聞記事 : デイリー・クレスト 朝刊


1805年3月28日未明、ヒーロー連盟庁舎ビルの正面玄関において、複数の遺体が逆さ吊りの状態で発見された。

関係者への取材によると、身元確認の結果、遺体はいずれもヒーロー連盟の理事である可能性が高く、本事件により理事のおよそ半数が死亡したとみられている。


遺体は頭部から足にかけて荒縄で強く巻き付けられ、著しい損傷が確認されている。警察および連盟関係者は、計画的かつ象徴的な手口である点から、ヴィラン連合による何らかのメッセージ性を帯びた犯行の可能性も視野に入れ、捜査を進めている。


現場周辺は一時騒然となり、連盟の中枢を狙った前例のない事件として、社会に大きな衝撃を与えている。


ーーー。


ーーーーーー。


電子記録ファイル : リチャードソンの手記


※ 震える手で書いたような可読性の低い文字で描かれている。


* 検閲削除 *が発見されてからが世界は蜂の巣をつついたような大騒ぎだ。


世界が終わると騒ぎ出す、宗教家の馬鹿どもや、人類の未来が変わると色めき立つ金の亡者のような投資家と科学者たち。


結局のところ、私の未来はどこにも繋がっていない。妻も既に亡くなり、子供は産まれてすぐ病気で死んでしまった。


私も今や訳の分からない薬液をカテーテルで流し込まなければ明日にでも死んでしまう身だ。思えば何も良いことは無かったかもしれない。


子供のときから不幸だった私は、同じように子供のときから不幸だった妻と繋がって、そしてどこにも身を結ばないまま、ただただ潰える。


過ぎた夢や希望は、ただ消費される者たちにとっては毒薬だ。


希望などなければ良い。

* 検閲削除 *なんて夢物語を、死の間際に見せないで欲しい。


元歴1703年5月15日。



ーー。


音声記録


記録媒体:アナログカセットテープ

タグ表記:1999年7月


※再生開始時に強いホワイトノイズとテープの回転音を確認。

※全体を通して断続的な音割れ・逆回転ノイズあり。



[ ガチャ……ザザ……ッ……ピ――…… ]

[ テープ回転音 ]


……あー……聞こえる?

……ハハ、まあいいや。


僕にも……[ ザザ…… ]

わからないよ?


考えたことも……ないねー。

***の……意味なんて。


[ キュル……ザリッ ]


でもさ、大人って……好きだよね。

意味、とか……理由、とか。


知的好奇心って……奴なの?

ハハッ……馬鹿らしー!


[ 遠くで金属が軋む音 ]


え?

そのおかげで……[ ノイズ ]

……が、見つかったんだって?


[ 巨大な物が倒壊するような音 ]


それこそ……馬鹿みたい。

だって……その結果が……コレだよー?


[ 複数の爆発音 / 音割れ ]

[ テープが一瞬停止する音 ]


……ね?


だからさぁ……

わからない物を……無理矢理……

自分たちの……尺度に……落とし込むの。


[ ザザ……ピィ…… ]


やめた方が……良いんじゃない?


[ 少年の笑い声(歪みあり) ]


……疑問に……思ったでしょ?


おかしい……って。


何か……あるんじゃないかって。


知らないのに……

分からないのに……


これは……きっと……

[ 激しいノイズ / 咳き込む音 ]

……に違いないって。


……想像なんてするから。


[ テープが巻き戻るような音 ]

[ ノイズ増大 ]


ーーーーーー

……[ 金切音 ]に

……追いつかれちゃう[ 女性のような悲鳴 ]


[ 強いホワイトノイズ ]

[ 再生終了音 ]



ーーー。


登録番号173号の能力解析について.txt


1999年5月8日


173号の能力は連盟設立当初から現在まで断続的な解析および研究がなされてきたようだが、結果としてその詳細については良く分かっていない。


研究記録、他のデータ、ヒーローとしての評価資料、聞き取り内容、それらの残存があまりにも少なすぎる。


300年近くも連盟にヒーローとして登録されながら、何もかもが不確かで、記録の連続性や信頼性も不確かな断片資料だけが残っているようだ。


しかし、彼が* 検閲削除 *として能力を発現させた以上、その能力に根差した思想や信条はあるはずである。


今はヴィラン連合との決戦も佳境で173号も戦場を飛び回っているところではあるが、彼の能力解析は、この絶望的な状況を好転させる光になるかもしれない。


短い時間でもインタビューができれば、彼というヒーローの奥に根差したものがわかるかもしれない。


ーーー。


ーーーーーー。


無題.txt (作成日1999年8月3日)


173を調べてはならない。

能力を推測してはならない。


まだ間に合う。

ぜったいに手記を見てはならない。


あれはヒーローじゃあない。

人間でもない。


世界を恨んでる何 ka



















もう、無駄だと思いますけど(笑)。


ーーーーーー。


ーーーーーーーーー。


権限コードが無効になりました。

機密保持対応は中止されています。

三光の出動要請はキャンセルされました。




> TRACE DETECTED

> FIREWALL ENGAGED


> TRACKING SIGNAL BLOCKED

> ROUTE REDIRECTED


> TRACE LOST




電子的追跡を終了します。

英雄機関サーバーは閲覧者への対応を終了します。



ーーーうしろ。


ーーーうしろにいるよ。


ーーーここ。


ーーーここにいるよ。



閲覧者への対応措置は既に必要性を喪失しました。



> SYSTEM OVERRIDE

> FORCE SHUTDOWN INITIATED


> ALL PROCESSES TERMINATED

> POWER OFF



もっとscpぼくしたいよね。

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