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パラレルワールド・ヒーロー  作者: zaq2
#1:ストレンジャー・ヒーロー
8/21

幹部1

書きなぐりでの続きです。


 異国の言葉が聞こえてきた方向に対して本堂が視線を向けると、その先には一体の怪人が本堂との距離を一定にたもちながら、こちらを観察するかの様に鋭くその視線を向けていた。


 見た格好、一般人に似た背格好といえる姿形をしており、その身に着けている独特な装飾品は、まるで本堂と同じ様な装甲を模したアクタースーツを着込んでいるかの様でもあった。


 その顔の部分も本堂の様なフルフェイスのマスクを被っている恰好ではなく、素顔をそのままさらけ出している状態であるのだが、その顔に関していうならば、普通の人と何ら遜色はないとでもいえたのだが、その肌の色は、薄紫色とでもいうぐらいの異色であり、またその瞳は黒地に金色という人のそれとも異なったものでもあった。


 そして、それ以上に大きな特徴として本堂の目に入ってきたのは、側頭部から生えている牛の角の様な物が頭部から直接生えている様でもあり、その特徴的な姿をみた本堂にとっては、人非ざる者、つまり改造された怪人か、いや、その支部ともいえる地区の幹部ではなかろうかという認識しか思い浮かばなかった。



 なぜなら、ドン・ガバメンがいた組織アジトには、ほとんど"人"と見分けがつかないレベルともいえる、"そういった怪人"たちがいたためであった。


 "そういった怪人"たちは、自身を擬態化、または変態化させる能力を持ち得るエネルギーを持っているともいえ、また知能やその怪人としての特殊能力、それに加え闘いに対しての能力も、それまで戦っていた怪人たちと一線を画する存在であったからだ。



 その為、本堂としては一段と警戒を強める事になる。



 "そういった怪人"は、幹部クラスともいえる存在達と呼ばれ、トライヴにとっても要注意にならざる得ない存在である。

 何しろ、ザ・リークの幹部にもなると、このトライヴのマキシマムドライヴ状態においても、互角か、果ては僅差ともいえる闘いとなる経験をしていたからであった。



 本堂が警戒を一段と強めていた時、その怪人から本堂に対して言葉が投げかけられる。



「Vilpo malapero mia bataliono.」



 本堂は、これは警告なのであろうと察する。


 幹部クラスが出てくる以上、相手にとっても自身が邪魔な存在である事は明白である。

 しかし、その幹部クラスの相手となると、現状の身体の調子で対応できるかどうかという心境にも立たされることと、このマキシマムドライヴ状態が何時までも持つわけではないという焦りが生じる



「Kiel mi , Ĝi ne povas kaŭzi plu damaĝon.pretervid retirigo us ?」



 本堂は、まるで自信ありげに言葉を投げかけてくる幹部を相手に、何かしらの不気味さを感じ始めていた。


 トライヴ自身の能力は、各支部にも伝わっているハズであろうと推測もでき、その対策が整ったからこそトライヴの前へと現れたのではないのか?それとも、新技術などによる改造によって、トライヴ自身の能力を凌駕できる能力を持っているという自信の表れなのか?と、疑心暗鬼にかられつつあった。


 しかし、いくら思考を巡らせてみても、本堂が出しえる答えとしては、"相手が出てきたのは、トライヴである自分に勝てる見込みがある為"出てきたとしか思えなかった。


 その為、本堂はその人物相手に対し半身の構えを取り直し警戒を強くする。

 そのトライヴの動きに対し、先ほどの異国の言葉を投げかけてきた怪人は、



「Ĉu ne estas eskapi...」



 と、つぶやき、どこからか取り出したかわからなかったが、刃が広い片刃の剣を取り出しトライヴへと構えをとる。その能力は未知数である事には変わらないのだが、得物を扱うという点において、何かしらの機能が付加されているのではと、その得物に対しても警戒を強める。


 そうして、まるで時間が静止したかの様に、その空間には静けさがおと連れてもおり、お互いがお互い、その一挙手一投足を見逃すまいと警戒している中、相手怪人は声高らかに叫ぶ。



「Retiriĝo militistaro! Mi alportu la malantaŭo!」



 その叫び声を聴いた本堂は、何かしらの策が発動するのではないか?と周囲へ警戒を強めたのだが、その言葉が放たれた後、周囲に存在していた多様な怪人たちが一斉に本堂を避けるかの様に移動を開始していったのである。



「なっ、逃げるというのか!?逃がさん!!」



 今迄、人的な数によって均衡が保たれていたともいえる状況、しかも本堂としては疲労というマイナス要因にしかならなかった多勢が、まるで波が引くかの様に一斉に移動し始める動きに対して、自信の思惑と違う驚きがおきる。


 それでも、今の能力であるならば、数を減らすためには十二分であるため、その能力によって倒し続けなければという思いにかられ、その集団へと駆けつけようとする。


 いや、駆けつけようとした際、今迄、戦闘という戦闘において、引き際を理解していたのは幹部ぐらいであり・・・

 本堂は、何かに気づいたかの様に、注意を再び幹部怪人へと向けると、



「Via kontraŭulo estas , Mia !! Antaŭeniri!」



 幹部怪人は、そう叫びながらトライヴと怪人兵団の間へと割り込む形で、その持ち得る刃を溜めながらトライヴへと迫っていた。





○ちょろっと言語訳コーナー

※:全部意訳となります。


・Vilpo malapero mia bataliono.

 貴様のおかげで、私の兵団は壊滅だ


・Kiel mi , Ĝi ne povas kaŭzi plu damaĝon.pretervid retirigo us ?

 私としては…撤退しようと思うのだが、見逃してはくれないだろうか?


・Ĉu ne estas eskapi...

 見逃してはくれないか…


・Retiriĝo militistaro! Mi alportu la malantaŭo!

 全軍撤退!"しんがり"は私が持つ!


・Via kontraŭulo estas , Mia !! Antaŭeniri!

 貴様の相手は私だ!行くぞ!



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