本当の英雄たち
あー痛かった。あれ、ぜってーマリーナの頭突きだな。その後のは、デリーだ。得意の上段の一撃だな。懐かしいくらい、何度も受け止めた。その後きたのも間違いない。メルナさんとヤンさんだ。この剣の鋭さは覚えてる。最後はミルカさんしかいない。リホ以外に、あれだけの天の力を持つ人を知らないからな。みんな、来てくれたんだ…ありがとな。
…
って、俺は何を考えてるんだ?あれ?考える?考えられる?そういえば、さっきまでの苦しみがない。暗闇も無くなった。
逆に、温かさを感じる…これは、忘れる訳がない!リホだ!!リホを近くに感じる…どこだ?リホ…。
「マウアー!」
「リホ?」
「マウアー!やっと、やっと会えた。でもどこ?」
「俺もリホの姿は見えないぞ?」
「声は聞こえるのに姿がない…。私がマウアの中に入ったからかしら?」
「えっ?リホが俺の中に入った?」
「そうよ!だって、悪気が凄くて思いが届かなかったから。みんなのおかげで、ここまで来れたよ…。」
「あぁ、俺もそう思った。こうしてリホと話せてるのは、みんなのおかげだ。しっかし、相変わらずムチャするよな、リホは。」
「そうかしら?」
「まぁ、おかげで助かったよ。」
「でしょ?」
「こうならなかったら、話ができなかったからな。」
「うん。」
「何度も何度も、気持ちを伝えようとしたんだぜ?」
「私もよ。」
「愛してる…。」
「私も、愛してる…。」
「待たせて…悪かったな…。」
「本当よ。待たせすぎ。」
「どれくらいの時間が過ぎたのかなぁ…。」
「数百年くらい…かな。」
「感謝しないとな。」
「うん。」
『闇を輝かせてくれた…本当の英雄たちに…。』




