あの日からの3年
side - ファイの闇裏士ミルカ
その後、ルーヒ国王様は、12才になった天士様を丘に呼び出しました。それから私は、天士様を見守り続けました。
丘からコロシアムを見ているリホ様。
無断でコロシアムに向かったリホ様。
魔獣との戦いを見守るリホ様。
夜の丘での3人のお姿。
そして、私はデリーさんを暗黒剣士に…。
ここまでは…私のシナリオ通り…。
そして、特殊護衛団からニレイの国の計画を知ることになります。私はこれを、チャンスと考えました。
うまく事が運べば、私の計画に2重の効果が生まれる…。
堕天士長を裏切るのは本当に辛いものでしたが、全ては私の出した答えの為…。
復活の儀に備える為…。
世界の為…。
お二人を…救う為…。
堕天士長は、私の話した計画通り、リホ様をニレイの国へ連れ出してくれました。天士様を追って、マウア様がニレイの国へ向かう姿を確認した後、私も潜入しました。
後は、偽の復活の儀式が始まり、偽の封印の儀を行うだけ…。
その時私は、愛する堕天士長に手をかけなければなりませんでした。これから始まる闘いへの保険の為に。
そして、コロシアムで魔人騒動が起きました。コロシアムに現れた堕天士長がマウア様と同行する姿を見て、私がミラに託した偽の封印の儀が実行されるとわかりました。その姿を見た私は、涙が止まりませんでした…。
私も計画を実行しなければ…。
強い決意とともに、私もニレイの城へ向かいました。しかし、そこで待っていたのは、意外な事実でした。そう。私が行うはずだった堕天士長の殺害を、すでに男性が行っていたのです。
私が…私がミラに手をかけることにためらうと、メルナはわかっていたのですね…。
そして私は、すぐに堕天士長の魂を受け入れ闇士となりました。
これが、ミラを騙した私に出来る最大の償い…そして、真の復活の儀への準備…。魔人アーサ国王とお二人の闘いは、私のカケ…始まる…。
天士様とマウア様は、私のカケに勝ちました。この結果が、私の出した答えに近づくことを願いました。
そして今、天士様はついに覚醒しました。
これまでを思い出しながら城を出て丘に着くと、4人の背中がそこにありました。
この丘に来ると、計画が始まったあの日…ルーヒ国王様と12才のリホ様の後ろ姿を思い出します。マウア様を探す旅の始まり。あの日からもう、3年が過ぎたのですね…。
「マウちゃん、ミルカさんに見守られてるって、知り合いだったの?」
「初めて会ったのは、ついこの前だよ。でも、そんな気がしたんだよ…。」
「フフッ。」
えっ?誰?
「ミールカ。覗きなんて、悪趣味よ?」
「メルナ…。」




