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闇の輝き  作者: ぴん
3章
18/53

親友の戦い2

「ただいまー、リーナさん。」


「おかえり、デリー。今日もお疲れだったわね。そうそう、あんたにコロシアムから連絡があったわ。2回戦出れるみたいだよ。」



「本当?リーナさん!それで相手は?まさかマウアじゃないよね?」


「あら?マウアがよかったの?でも残念、違うわよ。この前マウアに負けた…」



「ムルスだね!」


「そう、その人。どう?勝てそうかい?」



「スピードはないけどパワーはあるね。自信はあるけど、勝負はやってみないと。」



「あんたは真面目過ぎるのよ。時にはマウアみたいに、がむしゃらになったらどう?

何も考えずに思いっきりぶつかってみなさい。頭ばかり使ってると、体は動かないものよ。」



「そうだね。とにかくがんばるよ。そういえば、マウアとマリーナは?」


「二人ならナイクのお墓に行ったわよ。今日たまたまいいコーヒー豆が手に入ってね。飲ませてあげるんだって聞かなくてさ。」


「ナイクさんか…。」



「ナイクは幸せ者よね。だって、あんたたちがいるんだもの。きっと見守ってるわよ。」



「でも僕は、何も出来なかったから。」


「それを、これからするんだろ?」



「リーナさん…」


「さ、ご飯食べて早く休みなさい。試合前だし、体調管理も剣士の仕事よ。」




「うん…。あの、リーナさん…」


「自分で決めたんだろう?なら、私は何も言わないよ。」



「ありがとう…リーナさん」




「たっだいまー!」

「おっ、デリーお疲れ。」



「おかえりー。」



闇士(マリーナ)と店に戻ると、デリーはカウンターに座り、裏士(リーナ)さんと話していたようだ。


ちょっと待て?お帰り?



「デリー、なに間違えてんだよ。そこはただいま!だろ?」


「えー、デリーは合ってるじゃん。だって両方だもーん。」



「マリーナ、何言ってるんだ?俺たちは帰ってきたから、ただいま!だろ?デリーも帰ってきたからただいまじゃん。でも、今おかえりってデリーは言ったから俺は違うって…あれ?」




「わかったかいデリー。こんなでも試合じゃ負けなしなのよ?前しか見えないだけなのにね。」


「そうだね。」



こんなって、俺だよな…。



「なになにお母さん?何かあったの?」



闇士(マリーナ)がカウンターへ行った。


そういえば、リーナさん機嫌良さそうだな。



「デリーの試合が決まったのさ。相手はなんと、マウア…」


「えー!」

「まじで?」



俺と闇士(マリーナ)は、思わず叫んでしまった。



「の、前の試合で負けた相手の人。」



り、リーナさん…。びっくりしたぁ。



「やだー!変な顔しちゃったじゃーん。」


「お、俺も」



「えー、マウちゃんは変顔しないでよー。アタシはかわいいけどっ!」


「あのなぁ、俺だってなぁ…。」



「はいはい、どっちも変顔よ!」



手を叩くリーナさんは、先生みたいだな。



「ぶぅ。お母さーん!」



マリーナは気に入らないみたいだけど。それよりデリーの試合が決まったんだ。良かったぜ。



「デリー、それでいつ試合なんだ?」


「日程はまだ。明日コロシアムに行ってくるよ。」



「それなら俺も行くよ。」


「うん。」




「デリー、アタシ応援に行くね!」


「うん。ありがとうマリーナ。」



実戦になれば、また何か違うかもしれない。


信じると決めた俺だったが、不安は否めなかった。

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