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(違う……っ!)
あなたは首を横に振った。
『木』が『木』に弱いはずがない。同じものなのだから。
けれど気づいたときには遅かった。
あなたが『木』を思ったとき、体の奥底から湧き上がった力を吸って、土気色の手は一気に膨れ上がっていた。今はもう、手首から上も生えて、老いた男性に見える。
その代わり、あなたは縮んでいた。
男が軽く手首を振って、枯れ枝のように干からびたあなたは地面に落ちる。
「……畜生」
意識が途切れる最後の瞬間、あなたは鬼の全身が赤く染まるのを見た。
<DEAD END>




