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あなたたちは、廃病院の霊を利用して蠱毒を行っていた陰陽師の悪霊を退治した。
敵が陰陽師だと協会が予測していなかったこともあり、あなたたちは二階級特進でA級退魔師に任命されることになった。
「コードネーム、変えてもらえて良かったね」
帰り道、あなたの言葉に、若丸は暗い顔で頷いた。
「? 紅蓮鬼って、若丸くんが申請してたコードネームでしょ?」
ちょっと中二病っぽいなと思ったが、あなたは口には出さなかった。
「コードネーム変わったのはいいんだけど、よ。……お前はいいのか?」
「うん。最初は嫌だったけど、人間掃除機ってコードネームにも愛着沸いたから」
「そうじゃなくて……A級退魔師はよ、C級やB級と違って、コンビでの行動を義務づけられてねぇだろ? 俺は……」
若丸は赤鬼らしい真っ赤な顔で、広い背中を丸めた。
「お前に背中任せて戦うの、悪くねぇ、ってかすげぇ好き、だったんだけど」
「うん。わたしも悪くないと思ってたよ」
「だったら……」
「若丸くん、確かにA級退魔師はコンビ行動を義務づけられてないけど、禁止されてるわけでもないんだよ?」
「へ?……そういや、そうか」
「うん。A級退魔師に任される仕事は、これまでよりもっと危険で難しいんだから、ひとりで立ち向かうのは無謀だよ。S級退魔師の師匠や先輩たちだって、コンビかチームで行動してるじゃない」
「お、おう。じゃ、じゃあ、よ。俺ら、これからもコンビ組むんだな?」
「うーん……」
あなたは腕組みをして、首をひねる。
「人間掃除機と紅蓮鬼って、コンビとしてまとまりなくない?」
「紅蓮鬼は譲れねぇ。つうか、お前もコードネーム変えろよ」
「そうだね……ダークドッグとか、どうかな?」
「はは、いいんじゃね? ちょっと中二病くせぇけど」
デリカシーのない発言に、あなたは無言で歩き出した。
「お、おい。どうした? 待てよ! なんだよ、拗ねんな。そうだ! 今度お前の好きなイチゴ大福食わせてやるから機嫌直せ、な? 白餡だぞ!」
そんなこんなで、あなたと赤いゴリラの伝説は続いていくのだった──
<エピローグ 若猿丸>




