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狭霧町奇談  作者: 豆狸


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51

水音がする。

最初にいた場所は、南が山の頂、北が山の麓へ続いていた。

飛び回る女の首と遭遇したときに傾斜を降ったことで、北へたどり着いたのだろう。


「あれ?」


聞こえるのは水音だけではなかった。

人の声のようなものが聞こえる。

さっきのぶら下がり女とは違うが、同じように甲高い声だ。

あなたは木陰に隠れて、声のする方向を見た。

この辺りは霧が薄い。

人里が近いのか、地面は踏みしめられて道になっている。

細い道は流れる川に沿って伸び、並んだ柳の木が水面を見下ろしていた。

近くの柳の根元にふたつの影がある。

小さな影は黄色、もっと小さな影は青いパーカーを着ていた。

聞こえていたのはふたりの男の子が放つ泣き声だった。


(でも……)


あなたは不意に、友達の弟と遊んだときのことを思い出した。

ゲームでインチキしたのを怒ったら、今聞こえているのと同じ声でウソ泣きされた。友達は慣れたもので、うろたえるあなたの代わりに、ぽこんと弟の頭を殴って黙らせていた。

黄色いパーカーの子どもは小学校低学年の六歳か七歳くらい。

ちょうど友達の弟と同じ年ごろだ。

青いパーカーのほうはもっと幼い。ふたつか三つだろう。

この時間この場所にそんな小さな子どもたちがいるなんて妙な話だ。


あなたはどうするか決めただろうか。


声をかける→52へ進む

声をかけない→53へ進む

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