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狭霧町奇談  作者: @眠り豆


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高下駄を履いているせいか、前を行く天狗の動きは安定していなかった。

いつもは飛んでいて、滅多に歩かないのかもしれない。

とはいえ、空から見下ろすのでは、ウサギは見つからないだろう。

──たとえ本当の動物のウサギではないにしても。

しばらくひょこひょこと歩いたところで、彼はしゃがみ込んだ。

白い天狗が白い霧に溶けていく。


「……疲れたのう」

「じゃあ今夜はここで別れようか。カードはまた今度ってことで」

「嫌じゃ」


端整な顔をしているのに、子どもみたいに頬を膨らませて、天狗は左右に頭を振って見せた。


「でも……」

「そなた、河童と鬼、どちらが好きじゃ?」

「え?」


突然の質問に首を傾げると、彼はダルそうに立ち上がった。


「吾はもう歩けぬゆえ、友を呼んでおぶってもらおうと思う。一の字は河童で、丸は鬼なのじゃが、そなたが同行するならどちらが良いかの?」


あなたは答えに詰まった。


「どちらも嫌でないのなら、両方呼ぼうか。そなたも疲れたじゃろ? 丸はスケベだから、そなたは一の字におぶってもらうと良いぞ」

「ちょ、ちょっと待って!」


あなたは懐から取り出したスマホをいじり始めた天狗を止めた。


「どうするのじゃ?」


あなたは辺りを見回した。

鬱蒼と茂った木々と霧のせいで、どこにいても同じ場所のように感じるけれど、ここにいると四方から風を感じる。

どうやら最初にいたところへ戻ってきたようだ。

東から吹く強い風を浴びた瞬間、なぜか手の中でしずく型の石が震えたような気がした。

天狗は待つのに飽きたようで、スマホに指を走らせている。

悩んでいる暇はない。


河童と鬼、あなたが選ぶのはどっち?


「河童さんならいいかな」→46へ進む

「鬼さんでもいいかな」→47へ進む

そんなことより東から吹く風が気になる→30へ進む

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