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あなたは西へ向かった。
樹上で白い月が輝いている。
この森は山の中にあるらしい。南北に伸びる急な傾斜を横切って進む。
(……狭霧山かな?)
あなたは自分が狭霧町に住んでいること、その町から電車で2時間行った場所にある山が町と同じ名前だということを思い出した。
どちらの名前も霧の出る日が多いことに由来している。
狭霧山には鬼や天狗が住んでいるといわれていた。昔は龍神山と呼ばれ、龍神も住んでいたのだという。
霧のせいで足元がよくわからない。
何度も転びそうになりながら、あなたは西に進んだ。
木々が減って視界が開ける。開けた丸い空間に、月光が降り注いでいた。
(ウサギ!?)
月を見上げたあなたは、樹上に白い影を見つけて心の中で叫んだ。
しかし違う。
それはあなたよりも大きい、神主のような服を着た少年だった。
高下駄を履いて枝の上に立ち、夜空に腕を伸ばしてスマホを翳している。
「電波が入らぬ……うわ、落ちてしもうたっ!」
電波を求めて彼が振り回したスマホは、あなたのすぐ近くに飛んできた。
どうする?
拾って渡す→41へ進む
拾わないで隠れる→45へ進む




