表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狭霧町奇談  作者: @眠り豆


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/156

38

「イヤ」


言い切った。


「なんだとっ?」


声が驚愕している。


「当たり前でしょ? なにが巫女よ。あなたは一度もわたしの意志を聞かなかったわ。命令するだけ。そんな存在がいいもののはず、ないもの」

「ぐっ。なら力ずくで従わせてやる」

「……っ」


皮膚に刺さっていた爪が伸びる。

あなたの血を啜り、土気色の手が水気を取り戻していく。

手が吸収しきれなかった血が、手の平を赤く染めた。

激しい痛みで意識が朦朧としていく。

男の声が、憎々しげな声を放つ。あなたに聞かせるつもりのない呟きだ。


「……この娘だけで足りるわけがない。なんとしても龍神の力を得なくては……」


対抗手段を持たない自分が悔しくて、あなたは唇を噛んだ。

手の平から滴り落ちる赤いものが、血ではなくて炎ならいいのにと思う。


(そうしたら、こんなヤツ燃やしてやるのに)


怒りがあなたに満ちた。


(……熱い)


不意に全身が熱くなった。


「ぐわっ?」


望んだとおり、赤い血が炎となって土気色の手を燃やし始める。

やがて、嫌な匂いと黒い煙を漂わせて、手は消えた。

あなたの皮膚には爪痕も残っていない。


(でも……)


あなたは男が消えていないことを確信していた。

後ろで草木が揺れる、ガサガサという音がする。

あなたは振り返った。

枝をかき分けて、ふたりの男が空間に入ってくる。

日本刀を持った学生服の少年と、無精髭を生やした破れデニムの男。

自称退魔師たちだった。


→39へ進む

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ