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狭霧町奇談  作者: @眠り豆


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38/156

☆37

気がつくと、あなたは走り出していた。


(行かなくちゃ、あの場所へ行かなくちゃ)


「……っ!?」


後ろでだれかが叫んでいるが、足を止めることはできない。

東へ、東へと、なにかがあなたを追い立てる。

それは手の中に鎮座するしずく型の石だったのかもしれない。

強い風があなたの髪をなぶる。

濡れた草や奔放な木の根が足を滑らせる。

何度も転びそうになりながら、あなたは進んだ。

枝をかき分け、風が吹き出す場所へ飛び込む。


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