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狭霧町奇談  作者: @眠り豆


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「のう、そなた……」


しばらく行ったところで、天狗が口を開いた。


「わたし?」

「うむ。そなた、魔獣園のプレイヤーネームはなんと申す?」

「……それはまだ、思い出せてない」


あなたは誤魔化した。

魔術師の魔獣園はカードから召喚したモンスターを戦わせて、召喚魔術師の頂点に立つことを目的としたゲームだ。同じモンスターでもバージョンが違うとグラフィックや能力が変化する。また、戦いを重ねればデータがセーブされ、同じカードでもレベルが上がっていく。

オンラインで戦うので対戦者の顔を見ることはない。

しかし名前は表示される。

中学二年生のときにこのゲームを始めたあなたは、中二病感あふれるプレイヤーネームを使用していた。


「プレイヤーネーム? ああ、雪のキャットクイーンみてぇなヤツか。てかお前、男のくせにクイーンって……」

「キャットクイーンっ!?」


あなたの意思を無視して、口から驚愕の叫びが飛び出した。


「キャットクイーンって、もしかしてこの前の大会で準優勝だった? 可愛い猫系女の子モンスターでデッキ組んでるから、女の子かと思ってた」

「吾はネコミミ萌えなのじゃ。そなたは何系のモンスターでデッキを組んでおる?」

「わたしは犬派だから、ケルベとオルトとアヌビスで……あ」


しまった、と思ったときは遅かった。

キャットクイーンとは、この前の大会で対戦している。


「ふむ。そなた、狭霧地区の優勝者ダークドッグ殿であったか」

「う、うん……」

「どうかしたのか、ダークドッグ殿」

「あんまり、その名前で呼ばないでくれるかな。……中二病っぽいでしょ?」

「良い名だと思うがのう」

「ありがとう」

「では本名で呼び合うとするか。そういえば自己紹介がまだだったな。吾は雪比古じゃ」


あなたはさっき、鬼にもらったまんじゅうを食べたときに思い出した名前を告げた。


「……お前ら、さあ」

「どうした、丸?」

「なにかあった?」

「俺にもわかる話しろよ」


唇を尖らせて拗ねる鬼の姿は、なんだか可愛らしかった。


*あなたは天狗の名前を知りました。雪比古です。

鬼と天狗、ふたりの名前を知ったトライアングル数は『+24』です。

★のついた番号の章へ行ったとき、その番号に24を足した番号の章へ進むと、なにかあるかもしれません。

それでは──


→98へ進む

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