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あなたは物陰に隠れ、しばらく様子を窺うことにした。
焚き火に照らし出された少年の髪は真っ赤で、獅子のタテガミのように猛々しい。
かなり長く、後ろでひとつに束ねてポニーテイルにしている。
そして、髪からねじれた角が飛び出していた。
(……鬼!)
あなたは驚愕の叫びを飲み込んだ。
騒いで見つかったのでは、隠れた甲斐がない。
焦ってはいけない。急いてはことを仕損じる、急がば回れ、だ。
あなたは鬼がどこかへ移動するのを待って、来た道を引き返した。
息を潜め、転ばないよう気をつけながら霧の森を急ぐ。
細心の注意を払って傾斜を下っていると、やがて大きなひとり言は聞こえなくなった。
距離も取ったし、風の向きも変わったらしい。
鬼の少年には気づかれずに済んだようだ。
立ち止まり、あなたは小さく安堵の息を漏らす。
(これからどうしよう……)
このまま進めば、元の場所だ。
今度はウサギが見つかる方角がわかるだろうか。
「……え?」
なにかの気配を感じて、あなたは辺りを見回した。
もしかして赤毛の鬼が追ってきたのか。
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