☆19
「河童さんの友達なら鬼さんでもいいかな」
河童の細い目が見開かれた。
「……正気か? もっと自分を大事にしろ」
そこまでスケベなのかと驚くあなたに、彼は苦笑を漏らす。
「すまない、冗談だ。そうだな、丸に協力してもらおう。荒っぽいヤツだが、根はお人好しだし、この山にも詳しい。ただスケベなのも本当だから、気をつけろよ」
あなたは頷いた。
彼の友達なら、きっと本当にお人好しだろう。なんの関係もないあなたのウサギ探しにつき合ってくれている、この河童少年自体がとってもお人好しだ。
河童がジャージのズボンのポケットからスマホを取り出したとき、南の木々が震えた。
枝をかき分けて、大柄な男が姿を現す。
年のころはあなたたちと同じだが、厳つい顔なので老けて見える。
後ろで束ねてポニーテイルにした獅子のタテガミのように猛々しい赤い髪からは、ねじれた角が飛び出していた。大柄な体は筋肉質で逞しい。
彼が着ている赤いジャージに見覚えはないけれど、あなたはすぐに察した。
「スケベな鬼さん?」
「ん? ああ、俺は……って、ちょっと待て。だれがスケベだ」
「嘘は言ってない」
「うっせぇ。スケベでない男がいるってのか?……って、だれだ。一のカノジョか?」
「迷子だ。ウサギを探しているそうだ。丸も手伝ってくれ」
「はあ? やだね。俺ぁ用事があるんだよ」
あなたは──
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