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狭霧町奇談  作者: @眠り豆


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20/156

☆19

「河童さんの友達なら鬼さんでもいいかな」


河童の細い目が見開かれた。


「……正気か? もっと自分を大事にしろ」


そこまでスケベなのかと驚くあなたに、彼は苦笑を漏らす。


「すまない、冗談だ。そうだな、丸に協力してもらおう。荒っぽいヤツだが、根はお人好しだし、この山にも詳しい。ただスケベなのも本当だから、気をつけろよ」


あなたは頷いた。

彼の友達なら、きっと本当にお人好しだろう。なんの関係もないあなたのウサギ探しにつき合ってくれている、この河童少年自体がとってもお人好しだ。

河童がジャージのズボンのポケットからスマホを取り出したとき、南の木々が震えた。

枝をかき分けて、大柄な男が姿を現す。

年のころはあなたたちと同じだが、厳つい顔なので老けて見える。

後ろで束ねてポニーテイルにした獅子のタテガミのように猛々しい赤い髪からは、ねじれた角が飛び出していた。大柄な体は筋肉質で逞しい。

彼が着ている赤いジャージに見覚えはないけれど、あなたはすぐに察した。


「スケベな鬼さん?」

「ん? ああ、俺は……って、ちょっと待て。だれがスケベだ」

「嘘は言ってない」

「うっせぇ。スケベでない男がいるってのか?……って、だれだ。一のカノジョか?」

「迷子だ。ウサギを探しているそうだ。丸も手伝ってくれ」

「はあ? やだね。俺ぁ用事があるんだよ」


あなたは──


「どんな用事ですか?」→68へ進む

「引き止めちゃってごめんなさい」→83へ進む

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