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河童少年のパーカーの緑色は鮮やかで、白い霧に覆われた暗い森の中でもはっきりとした目印になった。
急な傾斜を南へ向かって登っていく。
彼が進むごとに、霧が薄れていくような気がした。
(あ……)
東の木々の梢に小さな影が動くのが見えた。リスだろうか。
梢に気を取られながら歩いていたあなたは、緑色のパーカーの背中にぶつかった。
河童少年が立ち止まったのは、四方から風が吹き寄せる空間──あなたが最初にいた場所だった。相変わらず、東から吹く風が一番強い。
「どうしたの?」
「いや、当てもなくさ迷っていても仕方がないかと思って。俺の友達に天狗と鬼がいるんだが、協力を仰いでもいいか?」
「て、天狗と鬼?」
そういえばジャージの上着を貸してくれたとき、スケベな鬼がいると話していた。
あなたは──
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「河童さんの友達なら鬼さんでもいいかな」→19へ進む
そんなことより東から吹く風が気になる→37へ進む