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狭霧町奇談  作者: @眠り豆
131/156

☆130

あなたは部屋の畳を持ち上げた。

実体のない幻は、姿を真似た現実と影響し合っている。

乾いていても重たい畳は、水を吸ってさらに重さを増していた。


「……はあ」


やっとの思いで持ち上げて、ずらす。

そこには床板がなかった。

すぐ地面になっていて、中央に古い井戸がある。

井戸の入り口は苔むした板で塞がれていた。

嫌な空気が漂ってくる。本能的で気づく。──死臭だ。


「……っ」


あなたは井戸を見つめながら、後ろへ下がった。

井戸を塞ぐ板と板の細い隙間から、にょろりと黒い物体が顔を出したからだ。

最初は隙間に見合った、紙のように薄い物体だったが、それは外に出るなり膨らんだ。

丸まった頭の後ろに細い体が続いている。

蛇だ。

それは鎌首をもたげ、赤い舌を出した。

悪霊の邪悪な霊力から生まれた蛇は、舌と同じ色の赤い瞳であなたを見つめる。

どうやら敵だと認識したらしい。

殺気が押し寄せてくる。


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