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狭霧町奇談  作者: @眠り豆
11/156

10

あなたは水音が聞こえる北へ向かった。

この森は山の中にあるらしい。急な傾斜の坂道を下る。


(……狭霧山かな?)


あなたは自分が狭霧町に住んでいること、その町から電車で2時間行った場所にある山が町と同じ名前だということを思い出した。

どちらの名前も霧の出る日が多いことに由来している。

霧のせいで足元がよくわからない。

何度も転びそうになりながら、あなたは水音の源に辿り着いた。

川原だ。

狭霧山から狭霧町へと流れる河童川かもしれない。

この川には河童が住んでいるという伝説があった。

さっきいた場所よりも霧が薄い。

白く漂う霧のまにまに、川原を埋め尽くす石が見えた。

上流から流されてくる間に磨かれた丸い石ばかりなので、裸足でも痛くはない。

それはそうと、妙なものがある。


(……バスケットのゴールポスト?)


昼間BBQに来たパーリーピーポーの忘れ物だろうか。

ジャージ姿の少年が、あなたに背を向けてシュート練習をしていた。

黒地に白と緑の線、どこかで見たことがあるようなデザインのジャージだ。

年のころは十代の後半、あなたと同じくらいだろうか。

少し背が低いけれど、華奢という印象は受けない。

黒い髪を短く刈っていて、スポーツマンという感じだ。

彼は、ゴールポストに向かってボールを投げ続けていた。

成功したら走って取りに行き、ドリブルしながら元の場所に戻る。

シュート。

失敗したら走って近寄りジャンプして、リバウンド。

シュート。

飽きることなく繰り返す。


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