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らしさ

作者: 高田 優

久々に書いてみました。

よろしくお願いします。

夜半、いろんな思いが去就するので、久々にペンを執る。

個性について考えてみようと思う。

世の中、いろんな人がいるが、この自分はたった一人である。

人それぞれの考え方を個性とひとまず定義するとして、個性は十人十色、様々である。


教育の世界ではよく個性を大事にしよう、なんて言われる。

大学の教旨などでも、学生ひとりひとりの個性を本学は尊重し、などと謳われている。


ところが、実社会に出てみると、個性を発揮できる場所はなかなか見つからない。

実際のところは、組織の行動規範等に合わせるように行動しようとするのだが、個性がどうしても出てしまい、それが、時に評価され、また、非難されもする。

なんとなくそんなところではないだろうか。

また、会社などでは人事考課があったりして、組織の行動規範に則り、優秀な成績を上げられた人が評価されたりするから、こちらは生活に関わることでもあるのでうかうかしてられない。

個性をいかんなく発揮した結果、新たな価値を生み出すことができ、優秀な人材と認められることも大いにあるから、組織の行動規範に合わせることが必ずしもその人の評価に直結しないところが面白くもある。

ただ、出る杭は打たれるということもあるから、特に日本社会では、概して個性を発揮することは難しいと考えられる。

本当の意味でのエリートというのは、そうした中でも、価値を発揮できる人なのであろう。

時に従順し、時に創造できる人。

その見極めが難しい。

創造することは、そう難しくないと思う。

自分の頭で考え、行動することに他ならないと思うからだ。

例えば、マニュアルがあったとして、より効果的ないし効率的なやり方を少しでも思いつけば、それは創造活動に他ならない。

大切なのは、自分の頭で考えるということだろう。

これは、個性があるからこそなせる業だと思う。

つまり、個性は時に組織の行動規範からの離脱になることがあるが、没個性化した組織は活力を失い、それはそれで競争に勝てないであろう。

この点、日本の組織は長きにわたり、弱点として指摘されつづけている。

確かに、組織としての統制がとれていることは、組織がその体をなすのに、欠かすことはできないかもしれない。

統制を失った組織はもはや組織ではない。

しかし、統制の面が強調されすぎると副作用が生じ、創造面が弱くなってしまいかねない。

行動規範による縛りがきついと自由な思考を阻害しかねないと考えられるからだ。

不適応や過適応という言葉があるが、これも組織の統制面が強調されすぎることの弊害であろう。

自分の考え、つまり、個性が弱まると、というより、発揮しにくくなると、自身の行動を組織の行動規範に合わせていく傾向があると思われるから。

人は組織や集団のなかで生活をしているから、その場において、支配的となっている規範に対し、どのような態度をとるかで、不適応や過適応という現象が生じるのだろう。

つまり、規範を拒否する方向に行けば不適応、迎合する方向に行けば過適応、といったように。


社会との距離の取り方や付き合い方は様々なので、各々が取ろうと思うスタンスを取ればいいと思う。

それは、誰に口出しされるものでもないから。

ただ、人に迷惑をかけたりして、実害を伴うものであれば、それは問題だと思うが。

あくまで、考え方として自分のスタンスを決めるのは自由である。

それは、意識的か否かに関わらず、誰もが行っていることであるから、その意味では個性は消えちゃいない。


と、書いているうちに、自身の考え方に意識的であるかどうかがポイントである気がしてきた。

つまり、ちゃんと自分の頭で考えているか、ということ。

その意味で、改めて個性を定義すると、ちゃんと自分の頭で考え、行動しているか、ということが非常に重要であると思う。

だから、やっぱり個性は重要だし、尊重されるべきと思うのです。


ちょっと切り口は違うかもしれないけれど、バランス感覚が重要、なんてよく聞く。

何事につけ、行き過ぎはよくないと大昔からいわれているわけで、そんなこともとても大切だと思うのです。


自分らしさを時には発揮し、人に合わせる、というか、人の考え方を尊重すべきは尊重する。

そんなバランス感覚を身に着けるのはなかなか難しいかもしれないけれど、大人ってやつはそれもできないとダメだと思いもするのです。


その一方で、やっぱりあの人らしいね、と言われたくもある。

いい意味でも悪い意味でも。

というよりは、その人その人らしさには、究極的には、いい悪いもないと思うのです。


たまには、そんな風に自分らしさがにじみ出る、そんな風でありたいと思う今日この頃です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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