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最強錬金術師少女の適当な日々。(仮)  作者: 休憩室長
第一章 《勇者と錬金術師》
2/2

ティリシャ、王都で元ダンシコウコウセ?、現女勇者に逢う。

 展開が早い……、もう駄目かもしれないな、これ……。

 取り敢えず頑張るしか無いのかな……?

 俺の名前は氷崎(ひざき) 川理(せんり)

 現代日本の男子高校生だ。


 身長は平均的だし、運動も普通。

 学力もたいして良くなければ、それぼと目立った特徴のない、そんな男だった。


 ある日、俺はいつものように幼馴染み(男)とくだらない話をしながら、学校へと向かっていた。


「ーーでさ、なかなか聖剣が出ねぇのよ……!あれだけやっても出ねぇって俺運無さすぎだろ……。」


 彼の名前は相澤(あいざわ) 健治(けんじ)

 幼稚園からの腐れ縁。

 俺とは違い、なんでもできる爽やか系イケメソである。


「……俺それ二回目周ったら出たぞ?」

「川理、それマジ?」

「マジマジ。」


 今話しているのは、最近発売されたVRMMORPGゲーム。

 その名も【BRAVE SEED ONLINE】。

 通称、【BSO】やら【英雄の種】等と言われている、今最も熱いオンラインゲームだ。

 因みに、俺のアバターはイケメソエルフ槍術師。

 結構どころか、かなりやり込んでいたから、多分上位ランカーだったと思う。

 そんな訳で、二人してゲームの話をしながら、通いなれた道を進んでいく。


「マジか、羨ましいっ!!俺なんか五十越えた辺りから数えてねぇぞ?」

「……マジかよ……。」


 ここまではいつも通りで、本当に良かった。

 そう、ここまではな……。


「ん?おい、川理?……って川理、下!!下が!!」

「んあ?ってうおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ!?」


 そう、俺はいきなり現れた魔法陣?らしきものに引きずられていた。

 何が起きたのか分からず、取り敢えずもがいていたが、やはり抵抗は意味が無かったようで、どんどん引き摺られていく。


「ヤベェ!?これどんどん引き摺られていくんだけど!?」

「掴まれ川理!!」


 そう言って健治は俺の手を掴もうとするが、するりと立体映像の様に掴めていない。


「ちょっ!?川理お前掴めないぞ!?」

「マジかよ、嘘だろ!?」


 そして引き摺られた俺は、目の前が真っ白に塗り潰された。





 気が付くと俺はやたらとデカイ城の中庭?の所で突っ立っていた。

 周りにはくたびれている魔法使いっぽい人達と、王冠被った王様らしき人、その隣に美人な女性。

 そして、金髪のお姫様っぽい美少女がいた。


 呆然としていて、暫く放心していたら、たまたま近くにあった鏡のような物(後で聞いたけれど異世界から勇者を召喚するために使う神具なんだとか)で自分の今の姿を見た俺は絶叫した。


「……んえ?ここどk……って声が変……。え、何?……って女 になってるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!?」


 そんな俺の声で気が付いたのか、王様らしき人が前に出る。


「ようこそ、私達の世界【アルテエンテ】へ!」


 そう言った王様らしき人物の言葉を皮切りに、周りにいた者達が一斉に騒ぎ出す。


「やった!成功した!これでこの世界は守られる!」

「ようこそ!勇者様!」

「勇者!魔王を倒してきてくれ!」

「勇者!勇者!」


 そんないきなりの展開に、俺の脳の処理機能は既にパンクしていたのだった。





 ギルドを出たティリシャは、一度孤児院に戻ろうと森へと足を向けるが、ふと忘れていた事を思い出した。

 あ、そう言えば私冒険者登録してないや……と。


 いつもギルドに寄った時、何かと冒険者になろうとしていたティリシャだが、毎度毎度話をしていたら忘れてしまい、何度も登録し損ねていたのだった。

 そんなわけで再び冒険者ギルドに向かっていた。

 まだ王都を出たばかりだったので、すぐに戻ってこれたが、その時の王都の姿が時間前と違い、首を傾げていた。


「……何だか騒がしい…。何かあったのかな……?」


 そう、現在王都は勇者召喚に成功し、宴の準備をしているのだ。

 そんなことを知らないティリシャは、孤児院に応用錬金術【風話の歌】で、自身の作り出したホムンクルスの薄青少女、アイリスとフェネクルの獣人少女、フェリアに連絡して此方に来るように言ったのだった。

 ついでに孤児院にいる全員ーー孤児の少女二人も連れて来るようにも言った。


 ティリシャが経営(というには怪しいが)する孤児院【聖フェリメラ保護院】はティリシャとアイリス、フェリアに加え、連れて来る二人とかなり少ない人数で暮らしている。

 正直、孤児院とは言いがたい物だが、ティリシャ曰く「ここは孤児院。異論は認めない。」だそうだ。


 そんな訳で、ティリシャは冒険者ギルド【ロークフォート王国首都ゼパロア支部】に到着した。

 相変わらずローブ姿のティリシャに、今朝ティリシャの姿を見て知っているギルドの受け付け嬢は、どこか勿体無さそうにティリシャを見ている。

 そんな受け付け嬢を無視しながら、ティリシャは用件だけを伝えたのだった。


「……冒険者になるから……ギルド証発行お願い…。」

「はい、わかりました。(はぁ、可愛いのに勿体無いな……。)」


 発んな受け付け嬢の視線を上手く避けながら、ギルドを改めて見ることにする。

 ここの支部は、冒険者ギルドの中でも大きい方らしく、三階まであって結構デカイ。

 多分この国の王城と並べても、ここが少し小さく感じる位にはデカイ筈である。


 そんなギルドを眺めつつ、受け付け嬢の言葉に耳を傾けるティリシャ。

 どうやら冒険者証の発行には暫く時間がかかるらしく、受け付け嬢曰く、待っている間かなり暇になるだろうと言っていた。

 なので発行している間、暇なのでそこら辺を歩いてみるから、暮れ三つ(日本で言う午後三時の事)にはも戻ると伝える。


 了承を得たティリシャは頷き、ギルドを出る。

 そして運命?の白ローブの王都観光が始まる。


 ティリシャはギルドを出てすぐ、再び周りを見て思う。

 朝の開け八つ(午前八時)に来た時とは違い、かなり騒がしい、と。

 朝というのもあったのかもしれないが、異常に騒がしいのだ。

 気にするなというのが無理な話である。


 そうやってローブ下で顔をしかめながら(無表情だが、本人はしかめているように思っている)大きな道ーー大路を歩く。

 そして遂にその騒がしさの原因に、ティリシャはぶつかった。


 金の髪と銀の瞳を持つ美少女勇者、センリ・ヒザキに……。





「…………。」

「…………。」


 現在俺は小さな白いローブ姿の奴とぶつかって、混乱していた。

 取り敢えずぶつかった時に謝ったのだが、返事が返って来ないため、かなり不安だった。

 こういう時、この世界の常識に疎いだろう自分が、何か失礼な事を言ったのだろうか、と心配する。

 しかし、当の白ローブ…、もといティリシャは千里を観察しているだけであり、別にぶつかった事に腹を立てている訳ではないのだった。

 気まずくなった俺は、白ローブに話かけてみた。


「………えっと、その……、すみません……。」

「…………?」

「……その、ぶつかってしまって……。」

「…………それはこちらの台詞……。ごめんなさい……。」


 返ってきたのは意外にも幼い少女の声だった。

 驚いた俺は「ぁぇ……?」という奇妙な奇声を発しながら目を白黒させる。


「…………?どうしたの……?」

「……あ、ううん、なんでもないよ……。」


 後に俺は知る。

 この出逢いは俺の運命を変える出逢いだったということを。

 文才の無さが光るな~………(遠い目)。

 でも読んでくれてありがとう。

 お礼、挨拶、感謝の言葉は大事だと思う。

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