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黄金の煌めきと純銀の輝き

魔法鉄鋼王国において富と権威と美を象徴する装いと言えば金銀細工である。

ボタンにチェーン。カフスに紀章。黄金の煌めきと純銀の輝きが魔法鉄鋼王国においての権威である。

これが神聖王国となると話は違ってくる。

神聖王国は服そのものを重視する。

レースにドレープ。フリルにリボン。

艶やかな服地の光沢と優雅なシルエットこそ神聖王国の美である。

故に。

和平会談ともなると。

魔法鉄鋼王国はやけにキラキラし。

神聖王国はやけにツヤツヤする。


――あの謁見から。

明葉にはサンダルが与えられた。

細い金のチェーンのついた足を締め付けないサンダルである。

ローブにあうギリギリのデザインであった。

流石に自国の勇者が裸足ではまずいと急遽用意されたものであった。

ローブもマリンブルーに銀糸で繊細な刺繍のされた逸品に変えられ、髪は結い上げられ金細工の花が飾られている。変わらないのは銀のペンダント。これは明葉の勇者としての身分を保証するものだ。全てに優越する身分証。絶対外さないよう言い含められている。


――女子会当日四月二十八日である。

魔法鉄鋼王国に神聖王国の使節団がやって来た。

驚いたことに法王直々に。

もっと驚いたことに真っ白なスーツで。

ねっとりとした上質なシルクである。

穏和そうに整った顔立ちもあって結婚式場のパンフから抜け出してきたかのようだった。

しかも使節団全員が白スーツメインである。

ランクが下がるにつれて灰色が混じるシステムのようだが、基本みんな真っ白。花婿さん状態である。

対抗するように魔法鉄鋼王国は黒い。

こっちは自衛隊の礼服に近いだろう。

それにさらにゴテゴテと金細工がくっつき正直やぼったい。

なるほど。

どうして報酬としてドレスやヒールを勧められないのか不思議だったが、ことそういうことに関しては神聖王国の方が一枚も二枚も上手なのだ。

ちらりと垣間見えた両使節団のファッションチェックをしながら明葉はそう結論づけた。

和平会談は別室で行われている。

仁ノ宮愛はそれに同席するのだそうだ。

明葉はそんなことはできない。

別室で大人しく待機であった。


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