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「私にだって出来ることはありません」

今回は最近のファンタジーだと定番のあれが出てきます。

「と、いうことでした」

「なるほど。とにかくお疲れ様でした」

魔法鉄鋼王国王宮先端技術大臣室である。

法王との会談も終わり戻ってきたのである。

ちなみに移動中は一回召喚を解かれ、移動し終わってから再度召喚される。

勇者を召喚できる時間は限られているし勇者が酔うと大変だからである。

報告会である。

相手は国王陛下――ではない。

先端技術大臣である。

毎度毎度のことではあるが。

流石に明葉も出来れば他の人に会わせたくないのではないかとか考え出した。

どうにも。

会う人も見る景色もいる場所も管理されている気がするのだ。

まあ、それをとやかく言う気はないのだが。

所詮は余所者。

見せたくないものぐらいあるだろう。

「例のお嬢さん、仁ノ宮愛さんについては正直こちらからできることはあまりありませんね」

公爵はそんな風に言う。

関わり合いになりたくないのかもしれない。

仁ノ宮さんは明葉とは違う。

見せたくないものを見に行ける立場だ。

厄介者だろうことは理解できる。

「無論、他国の勇者に不用意に関われないというのもありますけどね。現実問題として打てる手がないんですよ。だっていきなり仁ノ宮愛は異世界から狙われてるなんて言ったらむしろ彼女の身が危ないでしょう?」

明葉の考えを読んだように公爵は言葉を続ける。

読まれた、のだろう。

「私にだって出来ることはありません」

安部明葉に特に勇者界での力はない。

ただの女子中学生である。

出来ることと言えば公式ブログ宛にメールを出すぐらいだろう。

それだって読んでもらえるか怪しい。

「学術科学都市のほうをどうにかすることは出来ないのですか」

「……それなんですよね」

珍しく。

公爵は言いよどむ。

「……学術科学都市は消費型の都市です。輸出入を制限してしまえば長く見積もっても一年もたないでしょうね」

ならばそうすればいいではないか。

明葉の視線を受けて公爵はため息をつく。

「神聖王国側が了承しないのですよ。」

「どういうことですか?」

「……なんとも言えませんね」

元々神聖王国は学術科学都市との国交を望んでいました、と公爵は言う。

「学術科学都市しか持たない技術というのも決して少なくはありません。神聖王国はそれを欲しがっていました」

勿論我々も欲しかったのですが。

そう言って公爵は考え込む。

珍しく悩んでいるようだ。

「学術科学都市はなにか重要な技術を持っているのですか?」

魔法を使える勇者仁ノ宮愛に匹敵する何か。

なんだかとても――禍々しい気がするのは気のせいだろうか?

「……そうですね。話しておいた方がいいかも知れませんね」

公爵はため息をつく。

ひどく煮え切らない態度。

それが明葉を不安にさせた。


「銃――それが学術科学都市だけが持ち、我々が欲しがっている技術の正体ですよ」



という訳で銃登場です。持っているのは敵方ですってパターンは珍しいのかも……とも思いますが、まあ定番の登場です

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