「そもそも魔法とはなんでしょうか」
この世界の魔法についての説明回です。と言っても簡単にですが
北側。
北限国家。
農業連合。
魔法鉄鋼王国。
計三国。
南側。
神聖王国。
南洋連合。
計二国。
そして中立。
学術科学都市。
銀行商業都市。
計二国
総計七国。
それが現在確認されている国家の数。
分かっている世界の範囲である。
東の大地に、南の海に、北の大地に、西の海に何があるのか。
それは誰も知らない。
その小さなコップの中の嵐が二十年続いた北と南の戦争であり、それが収まった今新たな火だねとなるのが学術科学都市である。
北にも南にも敵対を表明しているこの小さな都市国家は神聖王国と魔法鉄鋼王国の国境に埋もれる形で存在している。
高くそびえる城壁と共に。
それが。
魔法鉄鋼王国沃野領第七砦から見える城壁である。
「彼らは魔法を拒絶する。彼らは魔法使いを差別する」
法王は言う。
「彼らは魔法を使う勇者を認めない」
「そもそも魔法とはなんでしょうか」
法王はゆっくり明葉の方へ歩み寄る。
教師然とした空気が鮮やかに描かれていく。
「『エネルギー保存の法則』『質量保存の法則』科学にこれらの揺るぎなき法則が存在するように魔法にも一つ揺るがしがたい法則が存在します。――それが、『生命存在の法則』です」
初耳――である。
今まで勇者をしてきて魔法について、特にその原理について聞いたことはない。
「そこに魔法があるならばそこに生命がなければならない。それが魔法の唯一絶対の法則。この世界に『魔道具』とか『魔法具』と呼ばれるいわゆる『ひとりでに魔法を使う道具』はありません」
法王はすっとスーツの内ポケットから小さな手帳を取り出した。
「このような『魔導書』――我々は魔法書と呼びますけど――はありますけど、これはあくまでも魔法を発動する手順を示したものです。これ自体に魔法を発動する力はありません」
魔法を発動する力は命あるものしかない。
逆に。
命あるものしか魔法にはかからない。
くるりと手のなかで手帳を回して法王は言う。
「そういう意味では魔法が物理法則を超越するのも当たり前なのでしょう。魔法とはいわば『生命法則』。はじめからその対象が違うのです」
ならば。
ぱしんと回された手帳の回転を止めて。
法王はパラパラと手帳のページを開く。
最強の魔法使いのその叡知を。
神聖王国最高機密を。
スケジュール確認でもするように気安く。
「――我々にこれは可能なのか否か」
こちらへ向けられた見開きのページには一言。
法王に似つかわしくないほど力強く。
ページからはみ出しそうに大きく。
たった四文字の日本語。
「不老不死」
要はバーンと炎が出てきたり突風を巻き起こせたりはしないという事です。
魔法で炎を出そうとすれば生き物を捕まえてきてそれを発火温度まで上昇させ燃焼させるしかありません。火打石使った方が確実に早くて便利で確実です。
多く使われるのは身体強化や治癒の魔法。それと通信系の魔法です。
法王は神聖王国最強の魔法使いです。江藤蓮は魔法鉄鋼王国最強の魔法使いです。
先の戦争で魔法鉄鋼王国が神聖王国に負けたという事は――事実はどうであれ――江藤蓮が法王に負けたということです。
そう言うことで蓮は法王の抑えとしてずっと壁際に立ってます。
出番はないですが立ってます。




