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戦場の風  作者: あの人
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第2話<夜襲>

キャンプの中にファクトリー軍の兵士が雪崩れ混んでくる。


「こいつらゴキブリみたいにウジャウジャと…めんどくせええええ!!!」


ロックが叫びながら敵兵士に槍を突き刺す。


「口より体を動かせよロック!!!」


向かってきた敵兵士の胴体を刀で斬りつける。


「うるせえよカイル!!」


その時カイルの目の前に火炎が迫る。 

「うおっ…!!!魔法使える奴が混ざってやがる!!!」


屈んで火炎を避ける。

何かが焦げた臭いがする。少し髪が焦げたようだ。


 

「めんどくせえええええええ!!!」


視界の端ではロックが雨の如く突きを繰り出している。


「このままじゃまずいな…」


カイルが気付くと周りにいた味方はほとんどが屍になっている。


 

「クソッ…ロック!!!」


カイルはロックに駆け寄る。


カイルとロックはお互いに背を預けた格好になった。


「本当にゴキブリかこいつら…」


ロックが呟く。


まさに人海戦術だ。


人の波が押し寄せてくる。


「ガイル将軍は無事か?」


「ガイルのオッサンならまだまだ元気みたいだぜ」


ロックが指差す方向ではガイル将軍が雄叫びを上げながら馬鹿デカイ斧を振るい、敵兵を吹き飛ばしていた。


「流石ガイル将軍…」


と呟きながらカイルは刀で1人2人3人と斬り倒していく。


ロックも次々と槍で敵兵を突き刺していった。


その時だった。


カイルとロックを包囲していた一部の敵兵が吹き飛ぶ。


「今度はなんなんだよ!!!」


ロックがカイルの近くで叫ぶ。


「お前ら無事かあ!?」


「げっ…団長…じゃなくて

マヒロの姉さん!!!」


そこに現れたのはカイル達の傭兵団の団長、真っ赤に燃える様な髪が特徴のマヒロが炎と共に飛び込んできた。


「マヒロさん!!!大丈夫ですか!?」


カイルは敵兵を引き付けながらマヒロに問う。


「アタシは大丈夫だ!!お前らも無事だね!?」


とマヒロが叫びながら手から火炎を放つ。


団長マヒロは火の魔法を得意とする人物。


そして団長と呼ばれるのを嫌う。


昔ロックが団長と呼んでフルボッコにされた。


 

「姉さん!!この状況ヤバいっす」


「馬鹿野郎!!!お前男だろ!泣き言言うんじゃねえ!!」


とマヒロが怒鳴りながら敵兵を蹴り飛ばす。


カイルはマヒロさんがあんな細身でどこから力が出ているのかを不思議に思いながら、紙一重で敵の斬りつけをかわす。すると突然、


「がああああああ!!!!!」


ガイル将軍がカイル達の目の前に敵兵を吹き飛ばしながら現れた。


「将軍!!!大丈夫ですか!!!」


カイルが問う。


「当たり前だ!!!!!」


ガイルが斧を振り回しながら答える。



「将軍!!!そろそろ不味いんじゃないかしらねえ!!」


「マヒロか!!!大丈夫だそろそろ時間だ!!」


ガイルがニヤリと笑う。


その時だった。


大きな歓声が響く。


「オッサン!!!援軍だ!!!援軍が来たぞ!!!」


「ガハハハハ!!!!一気に援軍と共に畳み掛けるぞ!!」


「よし!!!マヒロさん!!ロック!!!行くぞ!!」


後は一方的にアルタイム軍が攻めた。


援軍の力は凄まじく、あっというまにファクトリー軍は敗走にまで追い込まれた。


「勝った…」


カイルは呟く。


「ほらほらボサッと立って無いで怪我人運ぶの手伝いなカイル!!!」


もうすでにロックは怪我人を担いで走り回っている。


カイルは幾つもの修羅場をくぐり抜けてきた。


今回よりも苦戦した戦も生き抜いてきた。


だが彼の物語は今始まったばかりだ。


彼はこれか何を見て何を想いどう生き抜くか…

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