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戦場の風  作者: あの人
23/24

第21話【二度目の電撃】

「天気は気まぐれだよ。

まさに乙女心と同じ様に。」


隣に居るロックが染々と呟く。


「何を急に……。

口より体を動かせ!」


カイルは目の前の荷物を船内に投げ込みながら言う。


カイルとロックは今、船員達と一緒に甲板の上を駆け回っている。

正確には先ほどから急に降り出した豪雨と暴風の為に荷物やマストを畳んだりと、手伝いをしているのだ。


「さっきまでは快晴だったのによ…!!」


ロックも樽を船内に投げ込みながら言う。


「知るか!!

ほら次!!」


バケツリレーの様にカイルが荷物をロックに渡し、ロックが次々と船内に荷物を叩き込む。


「それに理不尽だぜ!

ガイルのオッサン

「一番若いお前らが頑張れ!!!ガハハハハ!!!」って言って俺らに任せやがって!!!

理不尽過ぎる!!!」


「理不尽だけど仕方ないだろ!!!

確かにあの中じゃあ、俺とロックが一番若いんだからな!!」


「あああもう!!

傭兵なんか辞めて転職してえよ!!!」


ロックが最後の箱を船内に投げ込んだ後叫ぶ。


「漁師にでもなっとけ!!

ほら次はあの荷物だ!!」


その瞬間、辺りに爆音と共に閃光が走る。


「うわわわっ……!!

雷かよ…いよいよヤバくなってきたな!!!」


「早く済ませて船室に戻るぞ!!」


出来るだけの早さで荷物を片付ける。


 

少しばかりするとカイルとロックに割り振られた仕事が終わった。


服はすぶ濡れ、髪からは水が滴り落ちていた。


船室に戻ろうとしたその時だった。


「……なあ、俺相性の良い魔法って雷だよな…。」


ロックは右手を掲げながら急に呟く。


こいつとは長い付き合いだから大体考えている事はわかる。


「お前………まさか………!!!

やめ…………」


止めようとしたが遅かった。

この馬鹿はこのタイミングで雷の魔法を試す気だ。


そして次の瞬間。

 

稲妻が天から落ちてきてロックの右手に直撃した。


「ぎゃあ゛あ゛あぁぁあぁあぁあ…!!!!!」


目を覆いたくなる光景だ。

人生を経験していて二度も電撃を受ける奴は少ないだろう。


しかし、何故あのタイミングで魔法を試す気になったのか不明だ。


とりあえず、雨の中稲妻が直撃した体勢のままつっ立っているロックを担いで船内に駆け込む。


「ロック…お前頭平気か?」


「いやぁ……雷見たとき、ふと相性の良い魔法について思い出してさあ…。」


前回のジンさんの電撃で耐性が付いたのか、あまり雷が効いて無いようだ。


 

「焦臭くなったな……。」


ロックの頭からは湯気が出ている。

髪はチリチリになっていた。


「とりあえず着替えたいよ……。」


ロックが上着を脱ぎ絞りながら呟く。


二人共ぐっしょり濡れている。

下手をしたら風邪をひくだろう。


二人はトボトボと船室に向かう。


船室に入る。


「ちょっとロック君!?

どうしたのよ?」


サラさんが変わり果てたロックの姿を見て驚く。


「ちょっと雷が直撃しまして…。」


ちょっとではない。

確実に直撃していた。

なにせ全身の骨が透けて見えていた位だから。


「ガハハハハ!!!

悪運だけは強いからのう。」


あんたのせいだよガイル将軍。


とカイルは心の中で呟く。


「あんた達びしょ濡れだねえ…。

向こうで着替えて来なさいよ…。」 

マヒロさんが言う。


とりあえず別室で着替える。


着替え終わった頃にルナとサラさんがタオルを抱えて現れた。


「はいカイル。

お疲れ様♪」


ルナがタオルを渡してくれた。


「ロック君大丈夫?」


サラさんが心配そうに聞く。


「大丈夫っすよ。前にジンさんからも電撃喰らいましたから。

慣れましたよ。」


「あの大将そんな事したの!?

やりかねないけど…。」


ガクリとサラさんはうなだれる。


「ジンさんの評判は良いんですか?」 

思わず問いかけてしまった。


「あの人の将軍としての評判は高いわ。

ただ……お茶目過ぎるのよね……。


ラスク砦の一階から最上階まで、箱に隠れながら兵にばれない様に進んだり、兵士の訓練に乱入なんて当たり前。


変な実験をして部屋が丸々一つ吹き飛んだ事もあったわね…。」


最早お茶目どころではない。

まあ親近感を持ちやすいが。


「大変なんですね……。

でも頼りになりますよねジンさんは。」


ルナが言う。


「そうかい?ありがとうね。」


後ろを振り返るとフラフラとしたジンさんが立っていた。


「大将……まさか……聞いてました……?」


サラさんがロックの陰に隠れながら言う。


「全然。

お茶目過ぎるってところからしか聞いてないよ。」


つまり全部聞いていたって事だ。


「まあまあジンさん落ち着いて下さいよ。」


ロックがすかさずサラさんをかばう。


「いやいや、お茶目なのは自覚しているからね。

むしろ狙ってやっているんだけどね。」


鼻唄混じりでジンさんは荷物をまとめ始める。


「そろそろ到着なんですか?

海楽しかったのに…。」


ルナが肩を落とす。


「これから先、何回でも海には来れるよ。

生きている限り、海より楽しい事があるからね。」


ジンさんはルナの頭を軽く叩く。


 

「雨も止んだし、風も弱くなってきたし、そろそろログタウンに着くから甲板に移動しようか。」


とりあえずカイル、ルナ、ロック、サラジンは先に甲板に上がったダイソンさん達より少し遅れて甲板に上がる。


薄暗い。

いつの間にか、日が暮れた様だ。

嵐の後は星が綺麗と言うが、本当に綺麗だ。


「ほら、あれがログタウンだのう。」 

ガイル将軍が指差す方向には割りと大きな夜景が広がっていた。


「ログタウンは大きな街だよ。

とりあえず今日はあそこに一泊するからね。」


ダイソンさんがメガネを外して言う。 

とりあえず色々あったがログタウンに到着した。 

「雨も止んだし、風も弱くなってきたし、そろそろログタウンに着くから甲板に移動しようか。」


とりあえずカイル、ルナ、ロック、サラジンは先に甲板に上がったダイソンさん達より少し遅れて甲板に上がる。


薄暗い。

いつの間にか、日が暮れた様だ。

嵐の後は星が綺麗と言うが、本当に綺麗だ。


「ほら、あれがログタウンだのう。」 

ガイル将軍が指差す方向には割りと大きな夜景が広がっていた。


「ログタウンは大きな街だよ。

とりあえず今日はあそこに一泊するからね。」


ダイソンさんがメガネを外して言う。 

とりあえず色々あったがログタウンに到着したようだ。

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