第1話【傭兵団】
夜の闇の中。
戦が終わった後なのか傭兵団がキャンプをしている。
傭兵らしきいかつい男達が酒を飲み食事や戦で負傷した傷を治療したりしている。
少し離れた所にまだ若い傭兵が2人、焚き火をして座っている
片方は深緑の様な緑色の髪をしており髪を後ろで束ねている、右目に傷がある若い人物。
その傭兵の隣には黒髪で不健康そうな傭兵が酒を片手にうなだれている。
不健康そうな傭兵がおもむろに口を開く。
「…なあカイル…今夜は襲って来ると思うか?」
「今夜は来るだろうな、ロック」
カイルと呼ばれた緑髪の傭兵は、不健康そうな傭兵…ロックに答える。
「はあ…めんどくせえ… 大体将軍は何を考えてるんだか…」
「あの人の考えはわからないからな」
「おう!!!ワシの事を呼んだか??」
カイルとロックは弾かれた様に立ち上がると、鎧を着込んだ顔に大きな斜めの傷がある大男が目の前に現れる。
「げっ…ガイル将軍…」
この現れた男はカイルとロックの所属している傭兵団の雇い主。
そして魔法国『アルタイム』軍の中将。
また『爆風の嵐』の異名を持つ人物。
「何か用ですか?ガイル中将」
カイルはニヤリと笑いながらガイルに言う。
「そう堅苦しくなるなカイル!!」
そう言いながらカイルとロックの肩をバシバシ叩く。
カイルとロックは何気なくガイル将軍と長い間戦場を共にしている。
「ガイルのオッサン…これからどうするんだ?」
「一晩経ったらすぐに出発するつもりだロック」
とガイルはロックに言いながらロックの酒を奪い一口飲む。
「とりあえず、アルンの本拠地に向かうのですか」
「そのつもりなんだがな…」
その時別の傭兵が駆けてくる。
「将軍!!!!『ファクトリー』の夜襲です!!!!!すぐに指示をお願いします!!!!」
「ガハハハハ!!!!『ファクトリー』めやはり来たか!!!
カイル!ロック!戦いだ!!!」
カイルとロックは各々の武器を担ぐ。
カイルは長い刀を。
ロックは槍を。
ファクトリー軍との戦いが、今始まる…