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戦場の風  作者: あの人
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第10話【魔法教室】

「はあ!?ジンお前急に何を………」


ロストが言う


「いや…アカツキ国ならば…宝玉について詳しくわかるかも知れん。」


ガイルが顎を擦りながら呟く。


「…!!!そうか!!確かアカツキ国は書物倉庫があったよな…!そこに宝玉についての資料があるかもな…!

それに研究施設だってある…!」


ダイソンが無精髭を触りながら言う。 

「でもいいんすか?

下手したらアカツキ国はアルタイム国を完全に敵に回す羽目に…」


ロックがぼそっと呟く。


「私を誰だと思っている?

ジン=アカツキ、一応国王の一人息子なんだけどな。」


「馬鹿息子の間違いだろう?」


ロストが付け足す。


「…えいっ。」


ジンはロストの脇腹を軽く蹴る。


「痛ええええええ!!!!!止めてくれ!!肋骨折れてんだ!!」


ロストは脇腹を押さえながら素早く立ち上がりマヒロの方へフラフラとよろける。


「あんた大丈夫かい?」


 

「大丈夫だけどさ…

あの化け物アルベルト大将、大剣ごと俺の骨叩き折りやがって…」


「まあ生きてただけ良しとしなさいよ」


マヒロが呟く。


「ああ…そうだな………

そうだ!ところでカイル、お前魔法が使えないんだよな?

この機会に魔法のプロに教えて貰いなよ。」


ロストがカイルに向かい言う。


「プロ?誰っすかそれ」


ロックが興味深そうに聞く。


「ダイソン!ほら、皆が呼んでるぞ!」


ガイルがニヤニヤしながら言う。


「昔の話を今更…」


ダイソンが頭を掻きながら呟く。


「ダイソンのオッサンただの技術者じゃねえのかよ!」


「こいつは昔、少将の座に就いていたんだ。

その時の異名は『魔鏡』って呼ばれてたのう。」


以外だ。

失礼だが、一目見ただけではただの頼り無さそうなオジサンだ。

カイルはそう心の中で呟く。


「昔の話だ昔のな…。

ところでカイル君、せっかくだし少し手解きしてやろうか?」


ダイソンが服の袖を捲りながら言う。 

せっかくなのでカイルは教わる事にした。


「面白そうな事してるね!」


ジンも見に来た。


「でもダイソンのオッサン…こいつ魔法が本当にさっぱりなんだぜ…。」 

ロックが呟く。


「…その時はカイル君に何属性の魔法を教えていたのかな?」


「あたしとロックで火属性の魔法を教えていたわよ。」 

「あー…、それは多分カイル君と火属性の魔法の相性が悪いだけだな。」 

ダイソンは懐からビー玉の様な物を取り出す。


「オッサンなにそれ?」


ロックはダイソンの掌の上のそれを摘み上げる。


するとみるみるうちに最初は、透明だった玉が紫色に変わる。


「それはな…『判別魔石』って言うんだ。

名前の通り触った人間と相性の良い属性の色に変わるんだ。

火なら赤、風なら緑、雷なら紫、水なら青、土なら茶って感じにね。」


「って事は俺は雷属性が相性良いって事?」


ロックが興奮しながら聞く。


「ああ、そうなるな。」


ダイソンはロックから判別魔石を受け取り、カイルに投げつける。


それを掴む。

そして掌の上に載せる。


すると判別魔石は緑色と青色が混ざり合った様な色になる。


「これは……?」


「おうカイル!!ワシやロスト、マヒロも同じ様に色が混ざったんじゃ!」


「うん。これは風、水、両方と相性が良いって事だよカイル君」


「ちなみに、ロストは赤と紫、マヒロは赤と青、ガイルさんは茶と紫、そして僕は赤と茶と紫だったよ。」


ジンが説明する。


ロックがショックでうなだれている。ロックだけが一つしか相性が良い属性しかない。


「よし、鉄は熱い内に打てだ。

これからロック君、カイル君、二人に魔法を使える様になって貰う。」 

「どうやってですか?」


ダイソンとロストはニヤリと笑う。


「あんたらは早く魔法を覚えたいんだろ?

なら手っ取り早い方法があるのよ。私もそれで魔法が使える様になったのよ!」


マヒロも笑いながら言う。

しかしその横でロストの表情が一瞬曇るが、すぐにいつもの表情に戻る。


「つまり…こういう事さ!!!!!」


ジンがロックの両肩を掴む。

そして…次の瞬間!!


「へ…?………あぎゃあぁあぁぁぁあぁあ!!!!!!!」


ロックの体に電撃が走り、骨が透けて見える。


カイルは腰を抜かし、その場から動けない。


そしてジンが両肩から手を放す。


「…ゲホッ…な…るほど…こういう…事ね…」


と言い残してロックは煙を吐きながらそのまま側のソファーに倒れ込んだ。


「い…一体…何を……?」


カイルが聞く。


「カイル…つまりはな、魔法を覚えるって事は体が魔法を覚えるって事になるのう。

つまりは…」


ガイルが言う。


つまりは…?


つまり…


「えぇえぇぇえ!!!!」


簡単な事だった。

簡単な方法…それは…直接魔法を喰らわせ体に無理矢理魔法を覚えさせる事だった。


絶対この方法考えた奴はドSに違いない。


「すまん!!!!カイル君!!!!」


ダイソンは両掌を開く。


右手には風が、左手には水が集まる。

そして、水と風を右拳に集める。


「え?ちょっ………!!!」


体に衝撃が走る。


ダイソンがカイルの懐に素早く入り込み、風と水を纏った手で腹に一撃入れたのだ。

 

「がっ…!!!!!」


意識が飛びそうになる。


だが、カイルは2・3後ずさりしただけでなんとかその場に踏みとどまった。


「カイル…大丈夫か?」


ロストが近付いてきて聞いてくる。


「ゲホッ……ど…どうにか、大丈夫です…。」


「よく耐えたね、カイル君。

容赦なくやったつもりなんだけどね。」


ダイソンが笑いながら言う。


ダイソンさんは絶対ドSだ。


「あれ?カイルあんた右目が……」


マヒロが驚きながら言う。


「右目?」

ジンが鏡を差し出す。


おかしい確かに。


カイルの両目の瞳は本来は黒いはずだ。


しかし…いつもとは違っていた。


右目の瞳の色が、違う。


髪と同じ様な色、緑色になっていた。


「なんでだ?今までに何回もこの方法をやって来たけど初めての経験だ…」


ダイソンがまじまじとカイルの顔を見る。


「別に全然気にならないですよ。これくらい。」


別に瞳の色が変わったが、はっきり見えるし問題ない。


「本人がこう言ってるんだから、問題は無いみたいだね。

よし…次のステップに行こうか!」 

ダイソンがそう言う。


これからどうなるのか…

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