詩 電話
掲載日:2026/06/07
電話は相手が出るまでがドキドキする。
「もしもし?」
男の人か女の人が出たかによって、緊張が違う。
「もしもし、あの…」
言葉をかみながらも用件を伝えていく。
もちろん側にはメモ帳とボールペンが置いてある。
必要なことをメモするためである。
「はい、はい」
素直な子どものように答え、
「失礼いたしました」
と切る。
プー、プー、プー。
相手が切ったのを確認してから、受話器を置く。
ふーと息を吐き出すと、伸びをする。
顔には笑顔が浮かぶ。
ニコニコ、ニコニコ。
やり遂げた感が強い。
まるで格闘したかのような、解放感。
森林の匂いがしそうな、そんな雰囲気となる。
「あー、心配事がなくなって良かった」
そう言うと、パソコンに向かう。
しかし電話がまた鳴り出す。
プルルル、プルルル。
しょうがないので、自分が出る。
本当は取りたくないのだが、しょうがない。
「もしもし?」




