2話 Sランクパーティ『闇の光』
「ああ? 俺達のパーティに入りたい? 俺達のパーティランクを知ってて言ってるんだろうな?」
俺はデュランから聞いた通り、人間の姿へと扮装した俺はまず最初に冒険者ギルドとやらで冒険者登録をした後、『闇の光』と名乗る冒険者パーティのリーダー、ガランへと声をかけた。
そして返ってきた反応がこの言葉であった。
「知ってる。Sランクなんだろう?」
俺はデュランに聞いていた通りの回答をする。
冒険者ランク。それは冒険者たちの強さを表す指標なのだとか。
下から順番にF、E、D、C、B、A、Sとなる。つまりSランクとは冒険者で最強の称号を意味する。
ま、Sランクまでしかないが故に最も力量にばらつきがあるランクらしいが。
「Sランクなんだろう、じゃねえよ! てめえ、今日登録したばっかのFランクじゃねえか! Fランク程度の雑魚がSランクの俺達に話しかけてくんじゃねえっつってんだよ」
そう言うとガランは持っていた大剣を鞘を付けたまま思い切り振ってくる。
え、短気過ぎない?
取りあえず両手でそれを防御しようとした時であった。
「やめろよ、ガラン!」
そう言って同じパーティであろう少年が俺とガランとの間に入ると、そのまま鞘に納めたままの剣で大剣を止める。
すげえ速さだな。なるほど、こいつがデュランの言っていた『有望な人材』って訳か。確か名前は「クロム」だったか。
「この人はただパーティに入りたがってるだけだ。それに新人なんだから冒険者の作法とか知らなくて当然だろ!」
「ああ? 魔法すら使えねえ荷物持ちが生意気な口を利くんじゃねえ」
その瞬間、ガランの全身から魔力を放出する気配を感じ取る。
この男、余程ムカついたらしい。全身に電気を纏わせると。クロムの首をガッと掴み、持ち上げる。
「おいおいおい、速さだけが取り柄のクロムさんよお。古株ってだけでこのパーティに居させてくれてるだけでありがたいって思えよ。てめえ1人じゃあ碌に依頼もこなせねえくせによぉ」
そう言うとガランはクロムを壁に叩きつけるように投げ飛ばす。
魔力障壁も張れないから今の電気ももろに食らっていたな。要は『魔法が使えない』ってことを理由にパーティ内で虐げられているわけだ。
それで本人もそれを大分デメリットに感じてるから、生活をするためだけにこいつに付いていってるって訳だ。
まあでも今のじゃあデュランが言うような『有望な人材』には見えんけどなぁ。
「大丈夫かい?」
「あ、ありがとう」
俺がクロムに手を差し伸べ、クロムはそれを拒否することなく手を取り立ち上がる。
こういう日常の動作で信頼を勝ち取るのも大事って訳だ。
「取りあえず、実力を示せば入れてくれるのか?」
「実力を示すだぁ?」
「ああ。お前のパーティメンバーと戦わせろ。それで俺の強さを見せてやる」
「ほう。言うじゃねえか。いいぜ~。だが条件がある。負けたらお前は全財産、置いていけ」
全財産か。人間の金なんざ冒険者登録料の分をデュランに握らされただけだから持ってないから好都合だな。
「分かった。それでいい」
「はっは! 言ったな! 叩き潰してくれるぜ!」
ガランは馬鹿みたいに高笑いをするとそのまま冒険者ギルドの受付へと歩いていく。
「おい、受付。聞いた通りだ。決闘する。場所を貸せ」
「新人をいびるのは程々にしてくださいね」
「いびる? 違うね、チャンスを与えてやってんだよ」
「はいはい、分かりました。1番の訓練場を貸します」
「おう、ありがとよ」
そう受付に言うとガランはこちらへと歩いてくる。
「早速今から始めようぜ。お前の強さを確かめてやる。とっておきの奴と戦わせてやるよ」
「それは面白い」
そう言うと俺はガランに導かれるように後を付いていくのであった。
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