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第70話:白霜の核心 氷牙狼との闘い

凍りついた峡谷に、鋭い咆哮が響き渡った。


氷牙狼ひょうがろうが跳びかかる。


アランは槍を構え、低く息を吐く。


「――来い。」


「《ルミナエッジ》!」


光が刃となり、槍先から放たれる。

狼の肩口に斜めの裂傷が走り、氷殻が砕け飛んだ。


だが。


「……嘘。」


リリアが目を見開く。


砕けたはずの氷殻が――

瞬時に“再生”し始めた。


ギチ……ギチ……と嫌な音を立てながら。


「氷が……戻ってる!?」


隊長が叫ぶ。


「凍結波による“自動再凍結”だ!

 普通の攻撃じゃ倒しきれない!!」


アランは歯を食いしばった。


(壊しても意味がない……なら――)


氷牙狼が再び跳躍。

その爪が凍てついた空気を裂く。


リリアが咄嗟に魔法を展開する。


「《テンペスト・フィールド》!」


風の盾が狼の爪を弾く。

だが、同時に氷が風壁に張り付き、瞬く間に凍りついていく。


「フィールドが……凍らされてる!?」


「風も止められるってことか……!」


氷牙狼は低く唸り、裂け目の方へと下がる。


狼の足元が、裂け目の光に照らされる。


その光は――

あきらかに灰哭はいこくのときと“似ていた”。


青白い脈動。

冷たい鼓動。

まるで“核”が芽を出そうとしているような。


リリアが叫ぶ。


「アラン!攻撃だけじゃ止まらない!

 凍結を打ち消せる光で……!」


アランは一瞬だけ目を閉じ――

槍に手を添えた。


(広範囲……浄化……灰哭で使ったあの魔法なら――)


目を開く。


決意が宿っていた。


「リリア――援護を!」


「任せて!」


風の流れがアランの周囲に集まる。


アランは槍を地面に突き立て、両手を重ねる。


光が槍軸を走り――


「――《ホーリーバースト》!!」


眩い光が爆ぜた。


氷煙が一掃され、地表の氷が一気に砕け散る。


氷牙狼の再生中の氷殻が破裂し、全身が光に包まれた。


耳を裂く咆哮。


そして――


狼の体は、白い粒子となって崩れ落ちた。


静寂。


風が戻り、霧が薄れる。


リリアが駆け寄る。


「やった……倒したの……!?」


アランは槍を握りながら、息を整えた。


「浄化系の光が効いたんだ。

 あれは“霊的な変質”だったんだよ。」


隊長が震える声で言った。


「すごい……君たちが来てなければ……」


しかし――


その安堵は長く続かなかった。


ゴゴゴゴゴ……


峡谷全体が揺れ始める。


裂け目の奥――

巨大な“光の柱”が立ち上がった。


リリアが青ざめる。


「これって……」


隊長が絶叫する。


「核化の開始だ!!」


アランは槍を構え直し、前を見据える。


「ここからが本番だ。」


白い光柱の根元――

“何か”が動いた気配がした。


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