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最強だと思った光魔法ですが習得が難しいです! ~魔法至上の国でダンジョンに挑む公爵家の落ちこぼれ~  作者: 空木 輝斗


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第188話:遮断線突破

「対象、確保」


三つの影が、同時に踏み込んできた。


速い。


異常なほどに。


「っ!!」


リリアが反射的に風を展開する。


――ガンッ!!


衝撃。


目の前で、見えない壁が軋む。


「……硬っ」


押される。


力任せではない。


“正確に流れを断つ”ような衝撃。


「退け」


淡々とした声。


黒衣の一人が、片手を振る。


その瞬間。


空気が、切れた。


「――っ!」


リリアが咄嗟に身体を捻る。


頬をかすめる。


遅れて、背後の岩が――


スパッと断ち切られた。


「……嘘でしょ」


斬撃ではない。


魔力でもない。


“流れそのもの”を断っている。


(これ……)


リリアの目が鋭くなる。


(魔脈、直接いじってる……!)


「アラン!!」


叫ぶ。


その瞬間。


――ドンッ!!


横から衝撃。


アランの腕で、受け止められていた。


光が、弾ける。


「……くそっ」


踏みとどまる。


だが、押される。


黒衣の男の一撃。


ただの打撃ではない。


“流れを崩す”一撃。


(重い……!)


アランの中の光が、揺れる。


「離れろ」


冷たい声。


次の一撃が来る。


だが。


――バシュッ!!


風が割り込んだ。


リリアが間に入る。


「一人で受けないで!!」


風が、斜めに流れる。


衝撃の方向を逸らす。


「……助かった」


アランが短く言う。


その横でガルドが、笑っていた。


「いい連携だ」


そして。


ガルドが消えた。


「な――」


黒衣の一人の背後。


「遅えよ」


――ドゴッ!!


一撃。


人影が吹き飛ぶ。


岩に叩きつけられ、砕ける。


「……排除対象、増加」


無機質な声。


もう一人が動き、即座に間合いを詰める。


「へえ」


ガルドがニヤリと笑う。


「数で来るか」


だが。


――ピタリ


黒衣が止まる。


「……何だ?」


ガルドの目が細くなる。


地面が、脈打った。


――ドクン


「……っ!」


アランが反応する。


「来るぞ!!」


核が、強く光った。


山の奥。


あの柱が、膨張する。


――ゴォォォォ!!


流れが、一気に引き込まれる。


「……まずい!わ」


リリアの声が震える。


さっきとは違う。


(魔脈が、強制的に吸われてる……!)


「……時間切れだな」


ガルドが舌打ちする。


「おいガキ共」


二人を見る。


「このままじゃ、山ごと消えるぞ」


その言葉に迷いはなかった。


アランが前を見る。


核。


あそこが原因。


「……行く」


一歩、踏み出す。


黒衣が即座に反応する。


「進行阻止」


「対象優先確保」


二人同時に動く。


しかし、リリアが前に出た。


「……通させて」


風を一点集中。


黒衣の足元の流れをずらす。


「……っ?」


わずかな違和感。


それだけで、動きが鈍る。


「今!!」


アランが駆ける。


光を足に乗せる。


地面を蹴るたびに、加速する。


ただの移動ではない。


流れに“乗る”。


「……これだ」


感覚が繋がる。


魔脈と自分の光が重なる。


景色が、流れる。


一瞬で距離が縮まる。


「対象、加速」


黒衣が追う。


だが、遅い。


アランは、止まらない。


そのとき。


「……見つけた」


小さく呟く。


核へと続く“流れ”。


それが、はっきりと見えた。


(ここを通せばいい)


理解した瞬間、身体が動く。


光を流れに沿わせる。


押さない。


逆らわない。


“通す”。


――ザッ


空気が裂けた。


黒衣の一撃が、横を通り過ぎる。


当たらない。


(見える)


流れの先が。


危険が。


全部。


「……行ける」


その背中をリリアが見ていた。


(速い……)


違う。


ただ速いんじゃない。


(流れてる……)


同じ場所に、立っている。


でも、届かない。


その距離。


「……負けない」


小さく呟く。


風を、さらに研ぎ澄ます。


自分も――、流れに入る。


――ざわり


リリアの周囲の風が、変わった。


「……これ」


アランと同じ。


流れに“乗る”感覚。


「……いける!」


踏み込む。


風が、背中を押す。


一気に距離を詰める。


「っ!?」


黒衣が反応する。


しかし。


二人は、すでに前に出ていた。


ガルドが、それを見て笑う。


「ははっ」


「いいじゃねえか」


そして。


最後の一人を、叩き落とした。


――ドゴォッ!!


岩が砕ける。


道が、開く。


前方。


光の柱。


核が、すぐそこにあった。


「……あれか」


アランが止まる。


目の前に脈動する光。


均一で、不気味なほど整った流れ。


だが、その奥で何かが、歪んでいる。


「……壊すぞ」


短い言葉。


リリアが隣に立つ。


「うん」


その瞬間。


核が――大きく脈打った。


――ドクン


世界が、揺れる。


「……っ!」


アランの光が、強く反応する。


(これ……)


核と自分が、共鳴している。


「……まずい」


ガルドが低く呟く。


「近すぎる」


核から、光が溢れた。


――ゴォォォォ!!


暴走。


「……来るぞ」


その一言と同時に光が、弾けた。


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