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最強だと思った光魔法ですが習得が難しいです! ~魔法至上の国でダンジョンに挑む公爵家の落ちこぼれ~  作者: 空木 輝斗


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第154話:第二層 正面衝突

第二層へ降りた瞬間、空気が変わった。


第一層のような荒々しい脈動はない。

だが静まり返りすぎている。


広い円形空間。

壁面には、黒い紋様が刻まれていた。


自然生成ではない。


設計。


「……人工だな」


アランが呟く。


次の瞬間、足元が暗転した。


影が立ち上がる。


十体。


いや、二十。


霧ではない。

明確な形を持った闇個体。


統率されている。


「来る!」


アランは即座に《ルーメン》を展開。

視界を奪われないための基礎光。


同時に《ライトヴェイル》。

薄膜の光が霧の干渉を遮断する。


だが、敵は止まらない。


左右から挟撃。


《ミラージュ》。


光の残像が三方向へ走る。

闇個体が分散する。


「今だ!」


槍を踏み込み、《バッシュ》。


衝撃波が正面の個体群を弾き飛ばす。


しかし――


崩れない。


すぐに再構築される。


(再生速度が早い……!)


背後から黒刃。


アランは反転し、《ルミナ・シェル》。


半球状の光膜が刃を受け止める。


だが衝撃は重い。


これは統率個体ではない。


もっと上。


空間中央。


黒い紋様の中心で、闇が凝縮する。


形を取る。


少年。


今度は、霧越しではない。


はっきりと立っている。


「ようやく、君だけだ」


静かな声。


敵意はある。


明確に。


「軍はいない」


少年は周囲を見渡す。


「だから、邪魔もない」


同時に、闇個体が一斉に後退する。


円形空間の外縁へ。


一対一。


真正面。


アランは槍を構える。


「ここは、お前が作ったのか」


「正確には、集めた」


少年は答える。


「捨てられた歪みを、整えただけだ」


「整えた?」


「帝国より、丁寧に」


瞬間、闇が爆ぜた。


少年の足元から黒槍が無数に伸びる。


アランは《ホーリードライブ》を発動。


機動力が跳ね上がる。


踏み込み。


《ルミナエッジ》。


光刃が闇槍を斬り裂く。


だが一本、二本、三本――


斬った端から再構成。


少年は手を振るだけで、空間の闇を操る。


「君は壊さない光だと思った」


黒槍が地面を穿つ。


「でも、帝国と同じなら――」


アランは跳躍。


空中で《ホーリーランス》。


光の槍が一直線に少年へ走る。


命中。


だが。


闇が層を作り、貫通を鈍らせる。


完全には通らない。


少年の肩が裂ける。


血は出ない。


闇が補填する。


「痛いな」


感情のない声。


次の瞬間、空間が歪む。


第二層そのものが、少年の意志で動く。


床が傾き、壁が迫る。


これはダンジョン支配。


(統率個体じゃない……核だ)


アランは槍を地面へ突き立てる。


「《ルミナ・アクシス》!」


縦光が空間を貫く。


歪みが止まる。


軸が、第二層の制御に割り込む。


少年の目が、初めてわずかに見開かれた。


「……それか」


闇と光が軸で拮抗する。


空間中央で、激しく反発。


火花のような粒子が飛ぶ。


「君は、壊すより危険だ」


少年の声が低くなる。


「整えてしまう」


闇が集中する。


一点。


少年の背後に巨大な影が形成される。


第三層へ続く、黒い門。


少年が言う。


「君を測れた」


門が開く。


闇が流れ込む。


「次は、本気で壊しに来る」


「待て!」


アランは《ホーリーランス》を放つ。


だが門が閉じる。


光が壁に弾かれる。


静寂。


闇個体はすべて消えている。


第二層は崩壊していない。


だが確実に、敵意を持って完成していた。


アランは息を吐く。


「……次は、本気だな」


第二層は突破した。


だが勝ってはいない。


光と闇。


ついに互いを敵と認めた瞬間だった。


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