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第一章 陽解 ②

「今日来る人は、確か……」

と今日の初診に来る人の情報を確認した。年齢14歳、性別女、能力溶解性の体液を持つ。なるほど……。もう、準備は終わっているからこのブレイク・ルームに案内すればすぐにできる状態にはなっている。相談者が来るまで少し時間があるから書類の確認をしよう。研究機関からの研究するために紅葉さんの特性を聴きだしてほしいと書いてある書類を確認した。そこの書類には、相談者の体液が体から精製しているのか、血液などの体液の代わりとしてあるものなのかなどを聴きだしてほしいと書いてあった。正直、これらのことは聴きだすのは無理だな。と思った。少し面倒だと感じながら、その他の確認書類や過去のデータなどを確認した。それから、少し待っていると呼び出し音が鳴った。

「紅葉さんが来ました。対応をお願いします」

と施設内無線で連絡がきた。了承すると相談者を迎えにロビーの方に向かった。ロビーには、三人いる。こちらの存在に三人が気付くとこちらに大人であろう二人が会釈してきた。私も軽く会釈を返した。会釈してきた二人が扶養者だろう。そして、レインコートのような服を隙間なく来ているのが今回の相談者だろう。

「こんにちは。私が今回紅葉海依さんの担当をさせていただく、小彼然士おがのぜんとと申します。それでは、おブレイク・ルームに案内しますのでついてきてください」

と私は、軽く挨拶と自己紹介を済ませるとブレイク・ルームに案内をした。ブレイク・ルームまでの道中、ご両親と軽い会話をしながらブレイク・ルームに向かった。相談者は、少し間を空けて歩いてきているのが見える。触れることが怖いのだろうか?もしかしたら緊張しているのだろうか?など様々な要因を私は考えていた。会話をしているとすぐにブレイク・ルームに着いた。扉を開け、入っていただくように案内をした。

「ここが、診察室ですか?普通の部屋の一室みたいな感じなんですね」

と紅葉の父が驚いたようだった。確かに診察室は、白を基調に無機質な感じ、いわゆる清潔感を重視しているためかどこか圧迫感があるところもあるのだろう。

「相談者が落ち着いてくれるような部屋という感じでデザインしています。ここは、治すところですが心の病を治すところで精神的に安全だと思ってくれればいいなと思いこのようにしています。どうぞ、ソファがありますので先にお掛けになっておいてください。少し準備することがあるので少しお待ちください」

と私はブレイク・ルームについての軽く説明をすると相談の準備を始めた。遠目に家族の方を見ていると相談者の紅葉さんが何もないところで立って話しているのが見えた。そういえば、ここの部屋の物は溶けないようにできているってことを教えるのを忘れていた。普段もあのような感じで気を使っているのかな?と考えながら準備を行った。準備を終えるとソファに向かった。

「すみません、お待たせしました。……では、始める前に、言い忘れていたことがあるので言います。ここの部屋にある物は全て紅葉海依さんでは溶かすことができないような作りになっていますのでよかったら座ってください」

と先ほど言い忘れていたことを言った。この部屋の作りは、この相談が入ったときからと特注して作ったものである。というよりは、特注しなければ、外でやることになりそうだった。なので、夏で暑い日に外でやりたくなかったので、私が頼み込んで作ってもらった。それに、一応、前情報として紅葉さんがいつも着込んでいるという情報もあったので熱中症になる可能性などの心配もあったためでもある。先ほど、紅葉に座ることを薦めたが戸惑っているようだった。ご両親の方たちも座るように言っているが少し渋っているようだ。

「えぇ―と。紅葉海絵さんは、ここは初めてのところだし、私と初対面なので緊張しているのかな。無理に座る必要はないので紅葉さんが一番落ち着きやすい状態でいてください。その辺に寝転がっても大丈夫ですよ。そうですね。そろそろ、相談を始めましょうか」

と言うと相談が始まった。まずはお互いの自己紹介を軽く行った。

「改めまして、私はここで考察者をやっている小彼然士おがのぜんとです。事前のアンケートでは、紅葉海依さんの治療について興味があるということなのでそのことから話してもいいでしょうか?」


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