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6、王都襲撃

「ヒィ。な、何で魔王がぁ。宮廷魔術師たちは何をしていたッ、早く戦いなさいよォッ」


 綺麗なドレスに身を包んだアリス王女が金切り声を上げる。王城のバルコニーに魔王の軍団は向かってくる。


「魔王アウーラめ、どうやって王都に……。アリス、ここは王城に籠城するんだ。さあ、早く!」


 勇者がアリスの手を取る。しかし、勇者たちの背後に黒い翼を持つ男が降り立った。


「久しぶりだなぁ。クックック。十字架に張り付けにされて殺されかけて以来だな。クソ勇者にゴミ王女。裏切ってくれた恨みは百億倍にして返すぜ」


 魔族……ラッドは邪悪な笑顔を見せた。


「ラッド、生きていたのか」


「ああ、俺の女たちを寝取りやがって。その上、性格最悪の王女と結婚か。お前ら残らず復してやるから覚悟しておけよ」


「ラッド、お前……」


「俺は魔王になった。あれはすべて部下たちだ。さあ、勇者ジーク、俺と戦おうぜ!」


 ラッドが剣を抜き放つ。


「ま、待ってくれ。僕も身の程を(わきま)えている。リタを(さら)ったのも君だろう?」


「ああ、そうだ。たっぷりと復讐してやった。今は魔王城建設のためにボロ衣を着て最底辺の奴隷になって頑張ってるぜ」


「あのリタが……こうもあっさりと」


 勇者が絶句していた。ラッドは笑みを深くする。


「降伏する。魔王の軍団に僕を加えてくれないか。君と僕ならこの世界を征服するのも夢じゃない」


「ゆ、勇者様ぁ!?」


 王女が驚いて声を上げた。勇者はにやりとする。


「どうかな? いい話だと思うんだけど」


「お前みたいな雑魚はいらない」


 ラッドは剣を一振りする。勇者が吹っ飛んだ。


「あ……あ……あぁ。ジークが……」


 勇者は天高く舞い、姿が見えなくなった。


「さて、勇者への復讐完了。おい、クズ王女。お前はどうする?」


「こ、降伏するわ! どうか命だけはお助け下さい!」


 アリス王女が土下座した。ラッドは笑みを深くした。


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― 新着の感想 ―
[一言] なんともインスタントなことで。(・_・;)(このままお憑かれマウンテンになるだろなと)
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