4、死霊術師の裏切り女に復讐
「うーん、むにゃむにゃ」
「ラッドォ、もう朝よー、起きて―ぇー」
俺が寝ていると可愛い女の子が起こしに来た。ここは王都の俺の家だ。クエストの報奨金で家を買うことができた。俺は死霊術師のリタと一緒にここに住んでいる。リタは暗い典型的な陰キャだが、眼鏡を外すと可愛らしい容姿をしている。リタは大事な彼女で将来は結婚しようと思っていた。料理上手で優しいし、その上冒険者としての能力もある。俺はリタに惚れていた。リタはニコニコしながらパンとスープを用意してくれていた。
俺とリタは席に着く。午後から勇者たちと合流し、王女たちとの魔王打倒に向けての協議がある。リタがにっこりと笑いかけてきた。ただ、この時、気づくべきだったな。リタの目が笑っていなかったことに……。
「勇者パーティーの死霊術師を捕えるとはさっすがラッド様ぁ~」
ロリ巨乳ことアスタロッテちゃんが俺に媚びた顔で話しかけてくる。俺たちの前には十字架に張り付けられたリタがいた。魔封じの呪文を施してあるのでリタは無力だ。まあ、今はただのか弱い小娘に過ぎん。
「た、助けてぇ。ラッドォ。ごめんなさい。私、勇者に、あのクズに騙されていたのォ。あ、あなたが犯罪者だって吹き込まれたのォ。ごめんなさい、ごめんなさいィ」
「命乞いか」
「そ、そう。命だけは助けてくれないかしら? ほら、私たち昔付き合っていたじゃない? 奴隷でも何でもするからお願いィ」
「フン、他のパーティーの魔術師に色目使って裏切ったのはどこの誰だったかな。ま、お前は俺じゃなくてもイケメンで強ければ誰でもいいんんだろ。クズ女!」
「ご、ごめんなさい。何といってお詫びしたらいいか。もう一度チャンスを与えてくれないかな? 彼女としてまたあなたに尽くすから……」
「いや、お前はもういらないよ。そして殺す価値すらない。ま、せいぜい魔族たちに遊んでもらうことだ」
「ヒイぃぃぃぃ。嫌あああああああああああああああああああああああああああッ、た、助けてええええええええええええええええええええええええええッ」
広場に集まったオークを始めとする魔族たちがリタに襲いかかった。リタはこれからオークの巣でたっぷりと遊んでもらうことになるだろう。ざまあみろだ。
「ラッド様、この女は持ち帰ります。我らオーク族できっちりお仕置きをしておきますので」
「うん。ま。殺すことはやめろよ。長く楽しむのが勇者への復讐になる」
「はい。長く長く楽しみますよ。ブヒヒ」
オークは嗤う。うん、これでオーク族とも友好な関係を築けそうだ。