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3、楽しい楽しい復讐の幕開け

 リタ・メイヴェルンは王国でも右に出る者はいない死霊術師で勇者パーティーでもその力を大いに発揮した。リタは美人でその上、気立てが良くて優しい。俺も勇者もリタのことを好きになるのに時間はかからなかった。俺とリタは恋人だった時期もある。リタは良い子だったし、俺たちは仲良くやれていたと思う。ただ、あの女、どうも俺を利用する目的で近づいたような気がする。今にして思えばだが。


「陛下、人間を仲間に入れるのですか。私は反対です」


 魔王城に帰ると一人の女が抗議してきた。綺麗な銀髪に碧い瞳の美少女ちゃん。年齢は十二歳くらいかな。ロリだ。ロリ巨乳だ。


 ゴスロリ服が可愛い。


「あー、アスタロッテぇ。この子強いわよ。もしかしたら私より強いかも。側にいるだけで魔力量半端ないし。復讐パワーってヤツ?」


「アハハ。御冗談を。魔王様より強い?プックックック。下等な人間ごときにそのような力……」


 かわいこちゃんがひっと悲鳴を上げる。俺は彼女の背後に回り込み、後ろから彼女に抱き着いて、首筋にナイフを突きつけた。


「あ、あわわわ……う、嘘でしょ。魔王軍の幹部である私が……」


 歯がカチカチと鳴る。ふう、本気を少し出してしまったな。かわいこちゃんが魔王に目で助けを求めている。


「ラッド、そのへんにしときなさい」


 俺は首筋からナイフを離す。かわいこちゃんがふっと息を吐いた。


「あ、あなたの実力はよく分かりました。ラッド様、先ほどはとんだ御無礼(ごぶれい)を」


 かわいこちゃんは土下座して謝ってきた。うん、素直で宜しい。


「俺は勇者パーティーに復讐したい。協力してくれるよな?」


「はい。私ごときでよければ、ぜひ」


 ロリ巨乳ちゃんが()びた笑顔を俺に向ける。物分かりがいい子は好きだぜ。


「では魔王様、リタに罠を仕掛けましょう」


「いいわね。何をするの?」


「そうですね……リタは慎重な女です。なのでちょっと手の込んだ仕掛けを考えてあります」


 俺は魔王に笑顔を向ける。楽しいなあ。フフフ。リタの恐怖に怯える顔を楽しみだ。







 リタ・メイヴェルンは二人の従者を率いて、ダンジョンに来ていた。討伐依頼が出ていた王都郊外のダンジョン。


「ふぅ。こんなダンジョンがあったなんて、ねえ。どんなレアアイテムが眠っているのかな。楽しみね」


 リタは戦わずに悠々と歩いていた。リタの私兵であるゾンビ兵が魔物を狩っていく。後ろには大柄な男と青年がいた。二人とも金で雇った傭兵(ようへい)だ。といっても、今までパーティーを組んだこともある古い付き合いだが。


「た、助けてくださいーーーーーッ」


 女の声が聞こえる。リタたちは駆け足で声のする方に向かった。


 檻の中に綺麗な女が捕らわれていた。リタは檻に近づく。


「大丈夫ですか。私は勇者パーティーの者です。すぐに助けますね」


 リタは女の手を両手で握ると、笑顔でそう言った。


「はい。ありがとうございます。よく存じておりますよ。死霊術師のリタ・メイヴェルン様。よくもあの時、見捨ててくれたよなぁ……!」


 女は獰猛(どうもう)な笑みを浮かべて、リタの手を引っ張る。


「ヒィ、ラッドォ、何で生きてるのォ。し、死んだはずじゃ」


 空間が歪む。ラッドとリタは魔方陣の光に包まれた。やがて(うず)を巻き、リタは悲鳴と共にその場から消えた。


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