17話 4月10日放課後※結衣視点
干からびる…
ちなみに僕はハゼみたいなもんです。
6時間目も授業に身が入らずそのまま放課後を迎えた。心がボロボロだ…
「よう、結衣一緒に帰るか?」
教室の扉の前には翔がいた。
ゑ?何で?何で翔がこんなところまで?
「いやー、結衣が一緒に帰りたいんじゃないかと思って」
ダメだ。完全にバレてる。
「うん!帰ろう!」
諦めよう。抗うことを。
こうして他愛のない話をしながら家まで帰ると姉の紗由もちょうど同じ時間に帰ってきてた。
あ、これまずいやつやん。絶対茶化されるやつやん。
「いやいやお熱いことで」
ほらー!だからお姉ちゃんには2人でいるとこみられたくなかったのに!
「いやいや、そんなことないですよ」
翔が冷静に返してくれた。
「だってー、手も繋いでるし?」
言われてから気づいた。私と翔は無意識のうちに手を繋いでいたのだ!お互いにそのことに気づき顔を赤くして手を離した。
数秒の沈黙。そんな中口を開いたのは翔だった。
「あの!俺用事あるんで!」
「ちょ…!」
翔が逃げだした。帰ったではない逃げ出しただ。絶対今のは戦略的撤退だ。
「よかったじゃん結衣!手繋げたんだね!」
「う…言わないで…」
この後私も逃げ出してベッドで悶えたのはまた別の話。
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