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第四話

※雨がふっている

ジョーカー「つまりあのキングってやつは爆弾を扱う少年ではなく爆発を起こす能力があると?」

ケイト「エイトとセブンはキングって子と出会う前に、その場所が安全かどうか隈無く確かめていたらしいの。結果、爆発物はひとつも設置されていなかった……」

ジョーカー「戦闘中に投げられたってわけでもないんだな?」

サイス「そうみたい」

ジョーカー「空気中の何かを爆発物に変えているか、発火させる能力ってことか……? だがそんな力はスポットの所属してるやつ以外に聞いたことがないぞ」

ケイト「それにあたしたちはマザーとダミーの契約によって特殊な能力を使えてるけど、逆にどちらかが欠けたら発動できない」

サイス「でもその子は一人だった……」

ジョーカー「そいつをふたりがかりで対処できねえとなるとこれからはフル体制で挑まねえと厳しいかもしれねえな。今回オーエンとシンクだけで行かせたのはまずかったか……」

ケイト「あいつらなら大丈夫よジョーカー! うちで1番強いペアなんだから!」

ジョーカー「まあそうなんだが……」

ケイト「それから、オナーの追加メンバー……キングと獣の子と、エース……」

ジョーカー「ああ、あの物言いだとそのエースってやつがオナーのトップだろうな」

サイス「強そう……一番だもん……」

ケイト「一番……エース……キング……、あ」

サイス「……どうしたの?」

ケイト「ホントだ……あたし達と同じ数字のコードネーム……! エースは1、キングは13……なんで……? 敵対してるスポットとオナーにどうして関連性があるの……?」

ジョーカー「…………」※真相に近づいてきたな、という気持ち


※ノックする音

サイス「あ、トリックだ……」

ジョーカー「はぁ、こんな嵐の日に限って……。今開ける!」

トリック「あ、どうも皆さんすみません」

ケイト「ええッ嘘、ずぶ濡れじゃない!! この大雨の中傘もささずに歩いて来たの?!」

トリック「えへへ、ええ、まあ」

ケイト「早く入って入って!! 風邪引いちゃうよ?! サイス、タオル取ってきてくれる?」

サイス「わかった」

トリック「ああお気遣いなく。身体だけは丈夫ですので」

ケイト「丈夫って言ったって、トリックはオークションで雇われてるただのアルバイトでしょ? あたしたちみたいに訓練も受けてないんだから……」

サイス「ケイト、持ってきた」

ケイト「ありがとサイス! ほら頭出して! 拭いたげる!」※タオルでガシガシ拭く

トリック「あ、う、ああ、ありがとうございます、う」

ジョーカー「で、依頼か? 今オーエンとシンクは出てるんだが」

トリック「はい。ケイトさんとサイスさん宛の依頼だったので丁度よかったです」

ケイト「え? あたしたち宛て? 指名されたのなんて初めてなんだけど! なんか嬉しいなあ」

サイス「うん……がんばる。どんな依頼……?」

トリック「人探しみたいですよ、場所はここです」

ケイト「ふうん? 詳細については会ってからね。了解、じゃあ早速行ってくるねジョーカー!」

サイス「行ってきます」

ジョーカー「ああ、くれぐれも気をつけてな」

ケイト「はーいっ!」

※でていくふたり


トリック「あーあ、髪の毛がぐしゃぐしゃになっちゃった。ほんと異常に明るいですね彼女は……」

ジョーカー「あれも……”ただ”の依頼じゃないんだろう」

トリック「さあ。ぼくは”ただ”のアルバイトですんで詳しいことはさっぱり」

ジョーカー「……あいつらが死んだらどう落とし前をつけてくれるんだ? お前とは違ってあいつらはそれでおしまいなんだぞ」

トリック「酷いなあ、僕だってそうですよ? 人を化け物みたいに言わないでください。それよりも、あなたはあなたの使命を全うしてくださいね。それこそ、失敗すればあなたの命はおしまいですよ?」

ジョーカー「俺はP-NSの司令官だ。急にいなくなればお前たちにとっても不便なはずだろ。……お前らにあれは扱えない」

トリック「そのとおり。だからあなたと彼がいるんじゃないですか。あれが僕らの脅威となりうる状況になれば手段は選んでられませんから」

ジョーカー「……ッ」

トリック「全ては世界のため。この国のため。民のため。……現社会の秩序を正しい方向に導くため。……ね?」



※雨の中 広い公園のような場所

シンク「依頼書によるとこのあたりのはずなんだが。雨が強くて視界が悪いな。ただの安全確認とはいえこれでは進まない」

オーエン「服がまとわりついて気持わりい……さっさと片付けてシャワー浴びてぇ。はぁ……なんでこんな日に……」

シンク「全くだな。あ、(少し笑いながら)ケイトはこの雨の中でも気にしないんだろうけどな」

オーエン「あいつはいつもいつも元気すぎんだよ。馬鹿力だしよ……あんなダミーに振り回されてるマザーが不憫だっての。そういやなんでサイスはいつもああなんだ?」

シンク「俺も詳しくは知らないが……過去に大きなショックを受けたって聞いたよ。それが原因でうまく喋ることも感情を表現することもできなくなってしまったらしい」

オーエン「ふうん、過去、ね……」

シンク「気を抜いたらだめだぞオーエン。エイトとセブンがやられたばかりだ。しかも相手はたった一人の少年……俺たちでも簡単には勝てない相手だろう」

オーエン「ああ、わかってる」

シンク「ん、珍しいな、お前がすんなり認めるなんて。いつもならうるせえ、ぶっ飛ばすだけだーとか言うのに」

オーエン「エイトとセブンは俺よりは強くねえが弱いわけじゃない。それだけ相手がやべえってことくらい分かる。けど仲間をあんなふうにされて黙っていられるほど……俺は馬鹿じゃねえ」

シンク「そうか。(少し微笑んで)そうだよな」

オーエン「チッ、あ~~くそ、これじゃラチがあかねえ。一旦雨が落ち着くまであの屋根があるスペースで休憩しね?」

シンク「そうだなあ、じゃあ俺向こうの店でタオルと暖かい飲み物でも買ってくるよ、コーヒーでいいか?」

オーエン「おう」

※シンクいなくなる


オーエン「で、お前はそこでこそこそ何してんだ?」

※テンが茂みから出てくる

テン「……分かってたんだ」

オーエン「そりゃあんだけ見られてたら気づくだろ。お前スポットの人間じゃねえよな。俺になんか用かよ?」

テン「え、と……追っかけ? ファンっていうのかな……」

オーエン「あ? ああシンクか、あいつ人気だしな、人当たりいいし。なにか渡すんなら俺が受け取っとくけど」

テン「違くて君の」

オーエン「は? 俺?」

テン「そう……その、覚えてないかもだけど、私、君に助けられたことがあって」

オーエン「んー……悪い、お前の顔に見覚えはねえんだけど……でもまあ、無事だったんなら良かったな」

テン「(少し悲しそうに微笑んでボソッと)……そういうところは変わってないんだね」

オーエン「え?」

テン「君の名前、オーエンっていうんでしょ? いい名前だよね。コードネームより全然いい」

オーエン「随分と詳しいんだな?」

テン「あ、え……っと」

オーエン「あー別に責めたり怪しんでるわけじゃねえから。お前からは敵意を感じない。そこまで情報が世に出てんなら機密もくそもねえなと思っただけだ。スポットも大したことねえな」

テン「ふふ、」

オーエン「……なんだよ」

テン「スポットのひとなのにそんな事言うなんて変わってるね」

オーエン「俺はどこに属してるとかどうでもいいんだよ。自分で信じたほうに進む。俺の目的は悪を潰すこと、それだけだ。(うげえといった感じ)ってえ……なんで俺、関係ないヤツにこんなこと言ってんだ……」

テン「ふふふ。……ふうん、そっか。ちゃんと答えが出てるんだ。じゃあやっぱり間違いじゃなかったね」

オーエン「……?」

テン「オーエン。君はそのままの君でいてね。どんなことがあっても、その信念を曲げないで。私はそんな君をずっと応援してる」

オーエン「……お前……?」


シンク「おーいオーエン! 雨止んできたな、これで依頼も……ん? どうした?」

オーエン「今知らねえやつと喋……あれ」

シンク「お前もしかして風邪でも引いたのか?! 幻覚でも見えてたんじゃないだろうな?」

オーエン「いや……」

シンク「あまり無理をさせられないな、タオルとコーヒーを買ってくるついでに見て回ってたんだが怪しいものはなかったよ。一旦帰ろうぜ、俺が肩を貸してやろうか?」

オーエン「い、要らねえよ馬鹿!」

シンク「そうか? しんどくなったらすぐに言うんだぞ?」

オーエン「ああ……。あいつ、一体……」

※電信が鳴る

シンク「お、なんだ? ……こちらシンク――」

ジョーカー「お前ら急いで戻ってこい!!!!」

シンク「(音がうるさくて遠ざける)いッ……なんだどうしたんだよ?!」

ジョーカー「ケイトとサイスがキングと接触した!!! とにかく急げ!!」

オーエン「なんだって……?!」



※雨 遊園地

キング「連絡は終わったぁ? ちゃんとオーエンを呼び出したんだよね? もし違うやつが来たら僕怒っちゃうからね?」

ケイト「はぁ……はぁ……はぁ……」※戦って疲れている

キング「あれ、お返事もできないの~?」

サイス「ケイト……大丈夫……?」

ケイト「だい、じょうぶ……けど、あいつ……あたしたちに手加減してた……!」

キング「そんなに睨まないでよ、怖いなあ。だいじょうぶ、僕は君たちを本当に殺したりしないよお」

ケイト「……エースって女が悲しむから?!」

キング「(殺意)お前が彼女の名を口にするな」

ケイト「……ッ」

キング「そんなに死にたいの? 何も知らないお前が軽率に語るな。どうしてお前みたいな弱いやつがスポットなんかに所属したんだろ。ほんっと笑っちゃうな……僕が……ッ後悔させてやるよ……!」

ケイト「サイス……!」

サイス「契約宣言……エルディスト!」

※高速でキングに詰め寄り首を掴む

キング「うグッ、お……」

サイス「やった! うまくいった」

ケイト「捕まえた……ッ!!!!……このまま首を締めて……!!!」

キング「ぐ……ふふ、うふふ……へえ……す、ごぉいねえ。……ちょっと、侮ってたよ……ふふ……」

ケイト「エイトと……セブンを傷つけたこと……許さない……ッ!!! 私はスポットに入ったことを後悔なんてしてない! 私の選択は……間違ってなんかいない!!」

キング「グゥ……ッ……ふふ、ふふふは」

ケイト「なに……笑ってるのよ……ッ」

キング「ふふ、ぐ、う、ふふ、お前に、ぼく、が殺せるの?」

ケイト「当然……それがあたしたちの目的よ……!」

キング「ふうん? 結構めんどくさい幻術なんだねえ」

ケイト「え……? (首にある手をぐぐぐと力づくで剥がされ中)ぐ、う……力、つよ……手が……はな……」

キング「目的……目的ねぇ。ね、本当にお前の目的ってオナーを潰すこと?」

ケイト「くっ……なに、言って……」

キング「違うよねえ、お前がここに所属した理由は消えた双子の弟を探すためだ」

ケイト「な、んでそれを……(殴られて飛ばされる)ガッ……ゴフッ!!!!」

サイス「ケイト!」

キング「うーん、張り合いないなあ……僕のこの細おい首を締め潰すこともできないなんて。これだから女はだめだよねえ? お姉ちゃあん」

ケイト「…………(息を震わせる)」

サイス「ケイト、ケイトだいじょうぶ?! ……ケイト……?」

ケイト「あ…………んた……」

キング「しょうがないから教えてあげるよ、イライラするからさあ。折角この僕がわざわざ来てやったのに、ほんとがっかりだ」

ケイト「そんな……ま、さか……」

キング「本当にずっと探してくれてたのかなあ? お前の弟……この、僕をさあ?!!」 ※最後にお面を外す

ケイト「あ……ああ…………嘘、嘘だ嘘だ……! あの日から……ずっと、ずっと探してたのに……! なんで……どうしてあんたがオナーに……!!!」

サイス「ケイトと同じ色の髪と瞳……」

キング「僕のことを捨てた名前で呼ぶのはやめてね。あの名前ヘドが出るほど嫌いなんだ。あとお前の名前もね、ああ、今はケイトって呼ばれてんだっけ?」

ケイト「答えろ!!!! どうしてあんたがオナーにいるのよ!!!」

キング「僕に指図するな。オナーは選ばれた5人の人間だけ所属できる神聖な組織なんだ、お前と僕は違う。……出来の悪い姉と、甘ったるい両親……(鼻で笑う)……生ぬるい平和ボケした家族ごっこにはうんざりしてたんだよ、だから捨てた」

ケイト「……なんて、酷いこと……ハッ……どうして身体が成長していないの……」

キング「僕だ、って分かりやすいでしょ? ジャックの薬で姿だけそのままにしてもらってたんだ。まあお前は全く気が付かなかったけど……変わっちゃったのはお前の方か」

ケイト「そんな……わたしは……なんの、ため、に……あ、ああああ……ああああああッ!!!(だんだんと能力が解けて解放、泣き叫ぶ)」

サイス「ケイト……ッ?! ケイト……ッ?!」

キング「ああそれそれ。僕の知ってるお姉ちゃんはそれだよケイト。泣き虫で弱虫で怖がり。よくスポットに入れたなと思ってたけど、まさか能力で無理やり性格を捻じ曲げてたとはね。やっぱりスポット上層部は厄介だなあ」

サイス「オークションの能力で……ケイトの性格を捻じ曲げる……? スポットに……はいるために……?」

ケイト「あ、ああ……あああ…………」

キング「ああ、それから、お前も」

サイス「え……?」

キング「覚えてないの? その様子だと思い出さないようにしてるって感じか」

サイス「どういうこと……(顔を寄せられてはっとする)……ッ!」

キング「(歩いて近寄ってすぐ近くまで顔を寄せる)ほら、僕の顔をよく見てみなよ。迫りくる炎と大きな爆発音……逃げ回る人間と、肉が焼ける匂い……」

サイス「あ……」

キング「白い壁に薄い黄色の屋根だったっけなあ。木造で、よく燃えた」

サイス「あぁ……」

キング「『生きろ』とか『愛してる』とかなんとか……お前の前では親ヅラしてたけど、最後は熱い苦しいってジタバタしてたぜ? すっげえ不格好でさ。プッ、思わず吹き出して笑っちゃったよ」

サイス「おかあさん……おとうさん……」

キング「そ。お前の両親殺したの、僕」

サイス「…………ッ!!!!!!!」

キング「関係のない国民だったとはいえ仕方なかったんだよな~僕も若かったし? この能力をエースに貰ったばかりでさ。つい試したくなっちゃったっていうか~」

サイス「試す……そんなことで……わたしの……」

ケイト「……あ……サイ、ス……」

キング「いつもなら死んだやつのことなんて覚えてないんだけど。その日のことはちょっと印象に残っててね。おまけに生き延びた子供がスポットに所属したって聞いたからさあ」

サイス「キング……お前は……お前だけは……!」※走り出す

ケイト「サイス……! だめ……!!」

キング「(楽しそうに)ただのマザー如きが僕に敵うわけないだろバァカ!!!!! あーあ仕方ねえ!! 力尽くで全部思い出させてやるよ……お前の最悪の記憶をなあ!!!」

ケイト「サイス……!!!」


セブン「契約宣言、リボーク!!」

トレイ「契約宣言、ディフェンダー!!」

デュース「はぁああっ!!!」

エイト「はぁああっ!!!」

※爆発を防いで無効化にする+砂埃が舞う


ケイト「(砂煙で咳き込む)こホッ……ごほ、……! あれは……!!」

ナイン「大丈夫か、サイス」

サイス「え……」

キング「チッ、ネズミどもがぞろぞろと……ッ!!!!」

ナイン「……ここからは、我々P-WEが貴様の相手だ」

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