可能性(きぼう、あるいはゆめ) ―真っ白な蕾(つぼみ)―
その器のなかには可能性が詰まっています。
そこから飛び出したあなたは、
初めは小さくて、
弱くてあやふやで、
でもそれはだんだんと、色々なものを受けて、想いを育てて、
ゆっくりと強く大きく成ってゆくのです。
強い想いは道行きを指し示して、
やがて想いは花開き、大輪となり、
可能性や希望を、大きく翼を羽ばたかせるように広げて、
あなたは咲くのです。
そしてそれは、望んだ夢を成し遂げて実を結び、
様々な色や味わいを持つ果実をつけるのでしょう。
そのために、毎日毎日、
あなたは受け入れた出来事や込めた想いで、そのかたちを少しずつ作り上げて、
そうしながら、力をたくわえて、
あなた自身が秘めている、可能性の世界を広げてゆくのだと考えています。
一歩一歩、進んでゆく。
そして、目指すものに近づいてゆく。
そうやって最後には、目指していたものになるのでしょう。
あなたはそうして、自ら望んでいた実りの時を迎えてゆくのだと思っています。
その蕾の中には希望が詰まっています。
あなたは夢という可能性を花開かせて実らせてゆく。
そして希望の種は、やがては地に落ちて、
そこから新しい夢を芽吹かせてゆくのでしょう。
あなたの夢のかけらは、
そうして新しく生まれて、
つづいてゆくのです。
いつまでも、
ずっと、
―蛇足です―
黒白の、それぞれのモチーフ元は以下の感じです。
黒は、
ネットの歌い手、松下さんの歌のCDです。←ボカロのカバー曲でしょうか?
CDタイトル『ご注文は松下のあとで』にある曲、
曲名「腐れ外道とチョコレゐト」の歌詞をイメージのきっかけにして、
最近見聞きした不快ないくつかの出来事を核にして書いたものです。
白は、
日曜美術館の番組、今年の『第67回日本伝統工芸展』で見た壺です。
その展示会での中田博士さんの受賞作品、真珠光彩壺。
中田さんの自宅にある、大山蓮華の木の白い花。そのつぼみをモチーフとした器ですね。
番組で取り上げていた創作の様子と、語られていたお話が興味深かったので、そのイメージを核にして書かせていただきました。
工芸品は面白いですね。美術作品のような美しさ、意志を持ちつつも、使う相手があることを意識して、その前提で作られている。
作っただけではなく、用に足りることを考えていることは、とても面白く思えます。
さて、詩の事ですが、
ある時、まず最初に黒の詩ができて、
そこから黒の詩の先のお話、復讐の物語の冒頭が頭に浮かんだのでした。←無意識にですが、詩を物語全体の中の部品として認識したのでしょう。
ただその時に、
ああ、これ(復讐譚)を書くと、後々感情に良くない影響が出そうな気がする。
そう感じて、その物語は捨てたんですね。
黒の詩は幾つかのボツ文章と同様にお蔵入りにして、そのうちゴミにでも出すつもりでいました。
けれども、あの美術番組でつぼみの形をした白磁の磁器をみかけて、その作者と、創作の様子を画面で見て、
この作者の方や、ここでは書かなかった受賞作品や作者の方たちを観ながら、ちょっと感銘を受けたんですね。
そうして黒白というタイトルを思いつき、黒の詩に対しての後付けで、この白の詩を作ったのでした。
この黒白の2編は、初めからトータル的な構成で作ったのではないのです。
ですから、黒白のタイトルの割に詩のバランスは良くないですね(笑)
ご笑納いただけたらよいのですが。
まあ、でも、
これはこれで良かったのかもしれないです。
人の気持ちには黒白があり、
その心のかたちは、バランスの良い形で整えられているものでもなく、そして常にそこにあるわけではありませんから(笑)
できばえはちょっとちょっとなのですが、読んでいただけて嬉しかったです。
どうもありがとうございましたm(_ _)m