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第17話 俺は「仲良く」が大切だと実感した

ブクマが4083件になりました。4日とちょっとで、ブクマ4000突破です。ありがとうっ。


今日の2話目。まだキャバクラで飲んでます。

「よし。これから、俺の引っ越し祝いをするぞ」

「「わーい」」

「ひとつ、呼んで欲しい子がいるんだが」

「えっ、誰?」


みゆちゃんが反応した。

大丈夫。俺は推し嬢は、みゆちゃんだからな。


「もしかして、私達の他にも気になる子がいるの?」


ミキちゃんも突っ込みを入れてくる。

ミキちゃんはみゆちゃんより余裕があるな。

まぁ、俺がみゆちゃん推しなのはバレているからな。


「アリサだ」

「「ええーー」」


うん、ふたりとも驚いたみたいだな。


待機スペースでしょぼんとしているアリサを見て思ったこと。

偉そうにドンペリ入れまくってアリサのお客を怒らせたのは、傲慢だったんじゃないかって。


貧乏だった俺がこの店に来たとき見せたアリサの態度。

それも傲慢だった。


だけど、結局、俺も傲慢な態度を返したんだから同類ってこと。


アリサは枕営業までして、得た人気をベースに傲慢な態度をしていた。

俺は拾った財布で傲慢な態度をした。


どっちが質が低いかっていえば、俺の方かもしれない。


「アリサは美人だ。それに枕だって辞さない」

「悠斗さん。アリサさんの方がみゆよりいいの?」


その、うるうる瞳、やばいな。


「だけど、俺は綺麗系より、かわいい系が好みだ」

「本当!?」


あ。本来、言おうと思ったことと、違うことを言ってしまった。

みゆちゃんのうるうる瞳効果、すごいな。


「そうじゃなくて。そうじゃない訳じゃないけど」


あ、いけない。言葉が混乱した。

ちょっと話を整理して本題を話した。


「前回はちょっとアリサに失礼なこと、してしまったなと」

「そんなことない。悠斗さんは悪くないわ」

「いいんだよ。ちょっと臨時収入が入ってカッコつけたくなっただけだから」

「そうなの?」


みゆちゃんも、ミキちゃんも納得してくれたから、ミキちゃんにアリサを呼んでもらった。


「悠斗さん。お邪魔します」


軽くお辞儀をしてミキちゃんの横に座った。

俺の斜め前だ。


「アリサ。来てくれてありがとう」

「こちらこそ。もう、悠斗さんの席につけるとは思っていなかったわ。呼んでもらって嬉しいわ」

「前回は俺が調子に乗りすぎた」

「ううん。アリサが悪いのよ。変に対抗しようとしたから」


アリサがやたらとしおらしい。

あのお客はそんなに大きな存在だったのか?


「元々、私はこのお店で浮いていたの。前の店からお客さんを引き連れてきて、成績をあげていたし」

「それは、お店としてはいいことだろう」

「うん、それはあると思う。だけど、なんとしてもNO.1で居続けようとする私が問題だったみたい」


そうなんだよな。

このお店のいいところは、成績をそれほど気にしないでいいこと。

指名競争で女の子同士が競っているお店と雰囲気が違う。


おっとりとしているんだ。


「まぁ、もういいじゃないか。終わったことにしよう」

「はい」

「今日は俺の引っ越し祝いだ」

「はい、おめでとうございます」

「「おめでとうございます」」


3人に祝ってもらった。

こういうときこそ、あれだな。


「それじゃ、ドンペリ入れるぞ」


すぐに黒服さんがドンペリをもってくる。


「ドンペリ入りました」


今日はもうすべての席が埋まっていて、お客達の目が一斉に俺に向く。

やっぱり、これ、気持ちがいいな。


「引っ越し、おめでとうございます」

「ありがとう」


黒服さんもお祝いの言葉をくれる。


シャンパングラスをもってくる。

黒服さんの分も入れて5つだ。


「それでは、改めまして。悠斗さん、引っ越しおめでとうございます」


ミキちゃんの取り仕切りで、俺の引っ越し祝いが始まった。

アリサが乾杯するために、俺の左横に移動してくる。

そして、俺に話しかけてくる。


「悠斗さん。最初のとき、ひどい態度してごめんなさい」

「あ。覚えていたのか」

「前回、席についた時は分からなかったわ。服装が全然違っていたから」

「それはそうだな」


かかっている費用が100倍は違うからな。

印象が違っても当然だろう。


「いきなり拒否されてかーっとなっちゃって。ごめんなさい」

「俺も悪かったから、水に流そう」

「ありがとう」

「それじゃ、仲直りということだな」

「はい」

「こういうときは、どうするんだっけ?」

「えっ、どういうこと?」

「どうすればいいと思う?」

「こう?」


俺のほっぺにキスをした。

うわ、なんてことするんだ、驚くじゃないか。

だけど、女の子の唇ってやわらかいな。


「あー、アリサちゃん、ダメ」


みゆちゃんが俺の腕をつかんで引き寄せる。

あ、胸が肘に当たるんだけど。

おもったより、胸があるな。


「あー、アリサ。それは答えが違うぞ。こういうときはこれだ」

「うん?」

「ドンペリ、お替りお願いします。今度はピンクで!」


もちろん、すぐに黒服さんが持ってくる。


「ピンドン、入りました」


新たなシャンパングラスに、ロゼシャンパン。

まずは、仲直りだから、アリサと乾杯だ。


「おいしい」

「だよな。ピンクようだからうまいよな」

「ううん。今だったら、ハウスボトルでも、最高においしく感じるわ」


晴れやかな顔でアリサが言う。


あ、ズンときた。

すごいな、アリサの一言がなかなか重いな。

さすが高級店でナンバー1を競っていただけあるな。


みんな楽し気に俺の引っ越しとアリサとの仲直りを喜んでくれる。


「アリサちゃんダメよ。悠斗さんはみゆの大切な人なの」

「もちろんよ。とったりしないわ」

「本当?」

「でも、悠斗さんの気が変わったら」

「そんなことないもん!」


おやおや。みゆちゃんとアリサ。

本気で俺の取り合いをしているように見えるな。


さすが、ふたりともキャバ嬢だ。

俺に罪な男役をさせてくれるんだな。


こういうときは、どう動けばカッコよくなるんだっけ?

なろうアニメのハーレムテンプレではどうだったっけ?


「まぁまぁ、ふたりとも。仲良くしよう」

「「悠斗さんは黙ってて」」


あれ? おかしいな。

なんかカッコ悪くない? 今の俺。


「あ、ごめんなさい。悠斗さん、つい」

「そうそう。せっかく仲良くさせてくれたのよね。みゆちゃん仲良くしましょう、今は」

「そうですわね、アリサちゃん。仲良くしましょう、今は」


うわ、ふたりとも、ニコニコ笑っているけど、ちょっと怖いよ。

俺はふたりの女に迫られて、あたふたする役らしいな。


そんな一幕もあったけど、周りの客も巻き込んで、大騒ぎになった。

楽しい夜になったぞ。


「悠斗さん。本当に遊びに行っていい?」


ミキちゃんが確認してくる。


「おう。来てくれるか。いつがいい?」

「日曜日がいいな。お店が休みだし。どう?」

「みゆも日曜がいいな。アリサちゃんは?」

「日曜なら行けるわ。だけど、私達3人も行ったら狭くない? 一人住まいのとこなんでしょう?」

「あー、たぶん大丈夫だ。ちょっとしたパーティをしよう」


3人だと、リビングが広すぎるという問題はあるが、狭いということはありえない。

30人でも余裕で入るからな。


「ところで駅ってどこになるの?」

「麻布十番駅で、徒歩3分くらいだ」

「ええーっ。そのあたりって六本木ヒルズの近くでしょう」

「ああ。すぐ近くだ」

「すっごーーい」


あまりに都心でみゆちゃんが驚いたようだ。

みゆちゃんは埼玉県在住だったな。


「日曜日、楽しみにしているね」

「ああ。待っているぞ」


この日も結局30万円ほど飲んでしまった。

楽しいから、いいんだけどな。


キャバ嬢にはやさしい男らしい。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 高い服になったのは前回のキャバより後だったような・・・・・・
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