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私は広い世界を見てみたい!  作者: 猫缶@睦月
1/5

0.プロローグ

処女作となります。本作品中に出てくる地域や組織等は全て架空のものとなっております。主人公の特性

の職業や団体等への批判じみた発言もありますが、こちらも架空のものであり、現実の何かを指している

訳ではありませんので、ご了承ください。


取り留めなく、つたなく独りよがりな作品ですが、少しでも楽しんでいただける方がいればいいな~。


本作品は、アルファポリス様でも、公開しております。

「…ここは?…」

 目を覚ますと、見知らぬ天井だった。周囲を見渡しても見知った物は何一つなく、人影も無い。声を出したのは失敗したなと思いつつ、妙に冷静な自分に違和感を覚えるけど、まずは状況を把握しよう…。

 まずは自分の状況。肌寒いと思ったら、白一色の浴衣の様な物を着ており、上半身は包帯が巻かれているけど特に身体に痛い部分はない。寝かされていたのは、春先にはまだ寒いんじゃないかという薄い布団。祖母が亡くなった時の死装束をふと思い出すが、右前で着ている(着させられてる?)から、死人扱いではないらしい。

 そして、気づきたくは無かったけど、明らかに小さい手や細い腕、ひどく平らな胸。どうやらこの体は幼女のものだということ。睡眠不足で目覚めたときのような判然としない状態ではあったが、先週中学を卒業したばかりとはいえ、ここまで小柄ではなかった。小さいとはいえ胸だってそれなりに膨らんでいたし。そういえば、さっき呟いた声も幼かったかと今にして思う。

 俯いた拍子に視界をよぎるのは白い髪。手に取り見直してみるが、どう見ても黒にはみえない。恐怖で髪が白くなるとかいうけど、あれは都市伝説のはず…。身体の幼児化に髪色の変化。そういえば肌の色も異常なほど白い。何も無くてこんなことがおきる訳は無いだろうから、やはり異世界転生とかなんだろうか?

 身体を動かすのに特に違和感は無かったけど、畳ベットのような寝台から少し苦労して降りてみる。寝台の高さは、50cm位かな。他の家具とかがないから正確ではないけど、おそらく私の身長は100cm前後。どおりで、天井も高く感じるはずだ。

 部屋は6畳程の広さで、四方は壁ではなく、床から天井までを太さ5cm位の柱が10cm位の間隔で立ち並んでいる。柱と柱の隙間は闇が埋めていて、外はみえない。室内?には家具らしきものは寝台と、部屋の片隅にある行燈(あんどん)のような照明器具だけ。ちなみに寝台の足側と壁の間は、1m位の板で区切られた空間があり、覗いてみたらトイレだった。これは使用するのはかなり恥ずかしい…。

 座敷牢を連想したし、おそらくそうなんだろうけど、こんな幼女の外見で犯罪者でもないだろう。あ、座敷牢は犯罪者を隔離する為の施設じゃなくて、何らかの理由で外部と接触させたくない場合使われることが多いんだっけ?今現在、体調が悪いとは感じないけど、伝染病とかで隔離されているのか?このアルビノっぽい様相(髪は結構長く腰までのある白?瞳は鏡が無いからわからないけど、余りにも白すぎる肌の色と髪色からして、ウサギの様な赤目かも)が原因かもしれない。ただ、腕や足にも筋肉とかもそれなりについているから、隔離されているとしてもずっと閉じ込められている訳ではないらしい。

 たいして確認するところも無いので、寝台によじ登り考える。そのうち誰かが食事を持ってくるなり、様子を見にくるだろうから、記憶の整理や状況をまとめておこう。

 …記憶の整理はすぐ終わった。ぼんやりした記憶ではあるが、以前と異なる容姿から、異世界への転移というよりは、転生ものだろう。そう考えると、多少は以前の記憶が思い出された。以前の私の名前は『斉藤 一葉(さいとう かずは)』といった。15歳。地元の中学を卒業して、他県の高校に進学予定の春休み中に、黒猫を助けようとしてもろ共交通事故で死亡したらしい。らしいというのは他人事のようだけど、『斉藤 一葉』としての記憶はかなり曖昧な状態だ。家族を含めて、声も顔もまったく思い出せず、自分の記憶なのに再現ドラマを見せられているようで、それに伴う感情が一切わかない。転生というありえない事の弊害(へいがい)なのかは今はわからないけど、新たにこの身体で生きるのなら、変に感情がある記憶は邪魔かもしれないから、まあいいか。

 異世界と仮定して、私が生き残るのに有利なものは何だろう?テンプレでもある神様との邂逅みたいのは、記憶が曖昧だけど無かったと思う。当然チート的な能力とかも、今時点ではない。現代人の知識は普通に残ってるけど所詮は高校生未満の知識だから、チートになるようなものでもないだろう。一葉としての知識として活用できそうな物は、趣味はゲームと読書というインドア型なのに、通っていた居合い道場での技術くらいだろう。一時期(はま)まっていたらしい幕末や刀関係のゲームの影響かもしれないが、武器が使えるのはどんな環境でもありがたい。使える刀があるかと、転生した身体が覚えてるのかも問題だけど。

 一葉としての意識の覚醒前の記憶を探ってみるけど、何一つ思い出せない。テンプレものなら意識が統合されて、なにかしらの知識は残るものだったんだけどなぁ。こちらの世界の一般常識も何もわからない状態はきついかも。

 あれ?そういえば、この身体の名前も、両親とかもいっさい判らないって、まずくない?状況的に相当まずい気がしてきたよ。

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