五日目 世界の秘密②
ついに強欲の魔神が登場です!
エンデュラの森。そこで俺は
アルファスと名乗る青年と出会い俺達の真実を知らされる。
「『運命力』とはこの世界の人、植物、建物、食物すべてに与えられているいわゆる寿命と力。人が食物を食べればその食物の『運命力』が食した人物の寿命と力へと変わる。しかし、それは人それぞれ容量が決まっている。 例えば、君達が住まわせてもらっている家の女性と娘は運命力約200と言ったところだね。 君達の世界で例えるなら寿命は約80歳、力はその歳の平均だね」
アルファスはペンをくるくる回しながら言った。
「しかし、例外がある。 さっき僕は『運命力』には容量があると言ったけどね。数年前、容量の限界を突破した人間達が現れたんだよ。 その人間達の事を『運命の禁輪』と言うんだ。 彼らはこの世界のルールを破った罪人だ。そして、その人間達は自分らの事を魔神と名乗り世界を支配した。あ、ちなみに魔神って言うのは魔女の神って事だからね。ちなみに、我が主も魔神の1人さ。 背負いし罪は強欲。 話を戻すけど君達が『運命力』を手に入れるには巫女に会うしかないのさ。 と言ってもそうそう会える訳じゃない。 何らかのトリガーがあってこそ会えるんだよ。 まぁ、僕は知らないけどね」
「・・・・・」
ぜんぜん頭に入らない。 魔神? 運命の禁輪? 意味がわからない。
「どうやら理解出来ないようだね。 仕方ない、簡潔にいうと君達が『運命力』を手に入れるには巫女に会うしかないこと」
アルファスはヤレヤレと首を振り簡潔に述べた。
「そうすれば、ここの住人のように『運命力』が手に入るのか?」
「うん、そうだよ」
「それは分かった、しかし魔神って何だ?」
運命力の意味は分かった、得る方法も。 だが魔神についてはすべてが謎だ。
「まぁ、いいよ 話してあげる。 とりあえず君は七つの大罪を知っているかい?」
「それって傲慢とか怠惰とかだろ?」
「そう、『傲慢』『怠惰』『色欲』
『嫉妬』 『憤怒』『強欲』『暴食』そして八つ目の大罪『運命』だ。 そして、この八つの罪を持つ者達こそ魔神様だ。 彼女らは魔女の神。 世界をかつて滅ぼしリセットさせたと言われている創造主だ。 だけど彼女らは魔神は処刑されたのさ、醜き人間共にね!! だけど、彼女らはそんなこと既に知っていたのさ。自分達が殺されることをね。 だから彼女らは跡継ぎに八つの罪を授け笑顔で散っていった。 その内の強欲の罪を背負いし先代の魔神オルフェス様に仕えていた僕はオルフェス様の跡継ぎ、テュフェル様を醜き人間共から匿い我が主が成長するのを待った。 そして、二年前、主様は先代のオルフェス様と同等、いやそれ以上の力を手に入れた!! しかし、問題があった。 それは主様は強欲すぎた。 強い力を求めすぎてたくさんの英雄を殺し続けた。 だけど物足りなかったんだよ。 そしていつしか主様は自分を殺してくれる人間を探し始めたのさ。 そんな時に、君達、転生者が舞い降りたのさ!! 唯一我が主の願いを叶えてくれる転生者が!!」
アルファスは歓喜の声をあげた。 木々が砕け散り、湖の中心がクレーターと化しそこの地面が見える。 地面が割れる。 落雷が降り注ぎ突風が巻き起こる。
俺は無事だ。 どうやらアルファスの近くにいれば巻き込まれないようだ。
「ところでそのテュフェルってのはババアなのか?」
これ重要な。 ロリかババアか、それが問題なんだ。
「んー、見た目は幼いけど歳は百歳越えてるよ」
「なるほど、合法ロリか、よし、会わせろ!! いや、会わせてください!!」
俺は頭を下げた。 いやー、さすがゲーム世界、リアルとは違うね。 合法ロリとか最高じゃん
あんなことやこんなことしても児童ポルノに引っかからないんだぜ ゲヒヒヒヒ、っと危ない危ない
「はぁ、無理だね。 まだ君は真の転生者じゃないからね」
ため息をついてアルファスは言った。
その言葉を聞き、俺は膝から崩れ落ちた。
「な、なんだと.....」
嘘だろ、会えないのか.....
「頼む! なら顔だけでも拝ませてください! できれば声聞きたいです!」
「はぁ、仕方ないなぁー、 会話するだけだよ?」
「ありがとうございます!!」
「たく、とんでもない転生者だよ」
アルファスは本のとあるページをちぎり、そこにペンを走らせるとその文字が光り、大きな鏡が出現した。
「えー、テュフェル様、アルファスです」
「ンー? ドーシター アルファス」
ウホッ、可愛らしい幼女の声
「えーと、ですね ただいま、テュフェル様、が会いたがっていた転生者が隣にいるのですが、どうしてもテュフェル様と会話したいというのですがよろしいでしょうか?」
アルファスはチラチラと俺の方を見て言った。
嫌そうな顔してますね。 ハイ、わかります。
「ベツニイイゾー」
「それでは、ただ今変わりますね」
「ンー」
アルファスはテュフェルに頭を下げてから、嫌そうな顔で
「ほら、許可もらえたから話してきな。 ちなみに、ぶれないことしたらすぐ殺すからな」
「ほいほい わかりやしたっと」
俺はアルファスに適当に返事をして大きな鏡の前に立った。
「どうもでーす! 君がテュフェルちゃん?」
俺は鏡に映る緑髪に黄色目、褐色な肌にちいさな胸を持つ幼い少女に向かって言った。
「・・・・プッ、アハハハッ!! オマエヘンナヤツダナー?」
少し間が開き緑髪少女は腹を抱えて笑った。
「oh?! それはないぜぇ!! あ、ちなみに俺はクロードね! お兄ちゃんって呼んでね!!」
「クロニイネー ヨロシクナー テュー、ハ テュフェル、ッテイウゾー」
「テューちゃんねー よろしく〜」
「オー、 トコロデ、ミコニハアエタノカー?」
テュフェルは首を可愛らしく傾げた。
「んにゃ、まだ」
首を横に振った。
「ソッカー、スデニミコトアッテタラ、テンイマホウデツレテコヨウトシタンダケドナー」
テュフェルは残念そうに告げた。
「まぁ、待っててくれよ すぐ会いに行くからよ」
俺は親指を立てて決め顔で言った。
「ンー、タシカニスグアウノモツマラナイモンナー。 ウン、ワカッタ テューハクロニイガクルノマッテルネー」
「おう」
「ンジャー テューハネムイカラオヤスミスルネー オヤスミー クロニイ」
「Good night」
とりあえず英語で言ってみた。
通信が切断されたようだ。 鏡消えたから。
「サンキューな、 アルファス」
「はいはい、君は少し常識を学んだほうがいいね」
「そうかー? まぁ、とりあえず話し終わった?」
「あぁ、君に話すことはもうないよ。 だからもう帰るね、 バイバイ クロード君」
アルファスは本のとある1ページを破り自身を中心に紙を投げた。 すると、その紙の中心に描かれた何かしらの魔法陣が光りその中へ吸い込まれていき消えた。
「よし、帰るかな」
俺は昨日の出来事なんざすっぱり忘れて清々しい笑顔で隠れ家へと続く道へと戻って行った。
『運命の禁輪』についてはのちのち明かされていきます!
次回は久しぶりにアルデミラ王国の話です!
と言ってもそんな久しぶりではないか。
とりあえずこれからもよろしくお願いします!