二日目 情報収集と人妻ルート攻略
テスト明日さよなら
ゲーム世界での生活二日目。
俺とヒナは今の状況を知るために情報収集を始めた。
「すいません、俺達違う国から昨日来たばかりでここがどこかわからないのですが、この国の名前ってなにか教えてもらえませんか? 後、何年の何月何日で今の国の状況などを教えてください」
俺は宿屋の店主に聞いた。
「そんなことか? ここはアルデミラ王国で、今は1956年4月5日だ。 で、今はアルデミラ王国は先日、国王が死んで新たな王を王候補から決めているところだな」
宿屋の店主は丁寧に教えてくれた。
「ありがとうございます」
俺は頭を下げて宿屋を出た。 宿屋を出ると春の涼しい風が俺の全身を包んだ。これはVRMMOでは味わえなかった体験だ。本当にゲーム世界に転生した事を実感する。 しかし不安が一つある。
それは俺達は元の世界に戻れるのか。
そんな不安が俺の心の奥の奥まで蝕んでいく。
「クソ、なにびびってんだよ 俺は」
俺は自分の頬を叩いて、ヒナの元へと向かった。
アルデミラ時計塔公園で、ヒナはラティと遊んでいた。
「お姉ちゃん、花摘みに行こうよ!」
「行こう行こう!」
ヒナはラティに微笑んで言った。 子供が二人いるような感じである。ちなみにヒナは一応高校生である。 精神年齢がまだ子供だと思えるほどだ。
「おい、俺が情報収集してる間にお前は何してんだ? ヒナ」
俺はこめかみを引くつかせて言った。
「ハ、ハハハ いや、ちゃ、ちゃんと情報収集してたよ」
バレバレだ。こいつ嘘つくのが下手すぎだ。
「ふぅーん、
ならそのお前が集めたっている情報を言ってみろ」
「え、えーと、ラティちゃんのお母さんが作ってくれたドーナツが美味しかった!!」
「おい、それは俺達にどんな関係がある?」
「そ、それは、お腹空いたらドーナツ食べさせてもらえるとか......いえ、関係ないです」
「だよなぁ? それにお前だけドーナツ食べてくるとか、意味わかんねえんだけども?! 俺も食いたかった?!」
ラティちゃんの母親が作ったドーナツ食べたいです。 俺、ロリコンだけど人妻もいけるんです! あぁ、人妻が作ったドーナツ食べたい!
と頭を押さえていると
「お腹空いてるの? お兄しゃん」
ラティは俺のコートの裾をつまんで首を傾げた。かわいい (´ω`*) まさに天使だ。
「食べたいです」
「じゃあ、お母さんに頼んでみるね!」
「あ、ありがとうございます!」
俺は土下座した。この娘は天使じゃない女神様だ! ラティ様が降臨なさったァァァァァァ!!
ラティ様の為なら俺、死ねる。
「感謝します ラティ様」
俺は涙を流しながら祈っていた。 これが信仰心か。今まで宗教をバカにしていたけど、ごめんなさい キリスト、ごめんなさい 釈迦様ァァ!!
「はぁ、行くわよ クロード」
「さ、触るな! こ、この異端が?!」
「誰が異端だボケがぁぁぁぁ?!」
ヒナから男のような声が聞こえたような......
「ぐぶぉはっ?!」
思い切り鳩尾を抉られた。 痛いです。
「それじゃ、行こっか 、ラティちゃん」
「う、うん」
俺はヒナに片足を捕まれ引きづられながらラティちゃんの家へと向かった。顔が自身の涙と砂でベタベタになった。
「あら、いらっしゃ....ひぃ?!」
「おじゃまします、ラティちゃんのお母様」
「ただいま!! お母さん」
「ラ、ラティ?! この男の人は?」
すごい警戒されてますね。 まぁ、当然か、だって顔中 泥だらけだからな。ホントは使いたくなかったんだけど使うしかないか
「クリーンウォーター!!」
そう唱えると顔の泥が綺麗さっぱり消え去った。ちなみにこれはただ単に掃除するために使う水である。そのくせにMPが何故か高い。一回使うだけで4割減る。泣きたい。
「お見苦しいところすいません、 私の名前はクロードと申します。 ラティさんのお母様」
俺はこう見えて二枚目だと自分では思っている。いや、確実に俺は二枚目だ!!
「い、いえ 別にいいのよ クロードくん」
ラティちゃんのお母さんは頬を朱に染めて言った。 ここで確信した。俺はやっぱり二枚目だということに!
「ありがとうございます、ところでお名前を聞いてもよろしいでしょうか?」
「は、はい、 私はレリィと申します」
「レリィさんですか、いい名前ですね」
「あ、ありがとうございます」
フッ、完全に惚れているな(`・ω・´)キリッ
「そうえばお父様は?」
俺はふと疑問に思い聞いてみると、
「夫は去年亡くなりました....」
レリィさんは顔を暗くして言った。
間が辛い。あんなに綺麗な人を悲しませてしまった。 最悪だ、俺。
「す、すいません! 代わりといってなんですがお父様の代わりに私が貴方とラティちゃんをお守りするのはダメでしょうか?」
「え? あ、あなたが」
「はい、そうです お母様」
「そう、ならお願いしてくれるかしら」
「はい、お任せ下さい」
俺はニコリと微笑んで言った。
「よし、ラティちゃん、今日から俺の事は本当の父親のように思っていいからね!! 何でもわがまま言っていいよ!」
俺は親指を立てて言った。
「待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?!」
「ごふはっ?!」
ヒナに脳天を殴られた。HPが減る音がした。
「何するんだよ? HP減ったじゃないかぁ」
「はぁ? クロード ここは街よ? バトルフィールドじゃないの、だからHPは減らないわ」
呆れたといった顔でヒナは言った。
「あ、そうでした」
「あ、あのー クロードさん?」
「何んですか? お母様」
「クロードさんは今どこに住んでいらっしゃるのですか?」
「あ、俺達、旅してるので家はないです」
「それなら私達の家で一緒に住みませんか?」
「え?それって....」
「あ、い、いや!? そ、そうではなくて、クロードさんが守って下さるのなら一緒にいる方が楽でしょうから、というわけで、そ、そんな、よこしまなことなんて、あ、ありませんから!?」
何このお母様、可愛すぎるんですが、 こんな綺麗な女性と住めるならむしろ大歓迎です!
「分かりました、俺も住みます。 あ、お前はどうすんの? ヒナ」
俺は無視をずっとしていたヒナに振り返って聞くと、ヒナはため息をついて言った。
「はぁ、どうせ何言っても無駄でしょうから、私は構わないわよ クロード」
「ありがとな、ヒナ」
「それじゃぁ、ヒナさんはラティと同じ部屋で、クロードさんは私と同じ部屋で寝ることにしましょう」
「分かりました、ラティちゃん行こっか?」
「うん!」
ヒナはラティちゃんと一緒に部屋へと向かっていった。
「それじゃぁ、私達も部屋に行きましょうか」
「はい、そうですね」
俺もレリィさんと共に部屋へと向かっていった。
その夜、
本日の成果、住む家と人妻ルート攻略完了。
明日の予定、とりあえず金集めのためにクエストを受ける。
俺はそんな事を日記帳に書き記して眠りに入った。 ちなみに、レリィさんは俺の隣で寝ている。
寝顔がパナいほどかわいい(´ω`*) これからこんな美人さんと一緒に寝れるなんて俺のジュニアがいつ爆破するか分からないぜ。 と、寝よ。こうして二日目のゲーム世界の日常が終わる。
眠い