7日目 救世主? いえ、人違いです。 俺は変態紳士クロード様だ!!
疲れました
闇夜に包まれたエンデュラの森を駆けるクロードとヒナ。 2人は怪我をしていたラティさんとレリィちゃんに包帯で治療をして、ヒナの生活魔法『安眠』をかけ、
アルデミラ王国へと向かっていた。
「なぁ、少し前から思ってたんだけどさ」
俺は少し前を風のように駆け抜けるヒナに話しかけた。
「どうしたのよ? クロード」
ヒナは二つの蒼色の瞳をこちらに向け首をかしげた。
「いや、その、やっぱ何でもない」
俺は怒られそうな感じがしたので言うのをやめた。
「ちょっと?! 言いたいことは言いなさいよ!
気になるでしょ」
ヒナは俺に向かって初級魔法『火炎』を連射して言った。
「ば、バカ?! そんなもん撃つなよ?!」
俺は防御魔法『守護盾』を発動させて言った。
「わ、分かった?! い、言うから」
俺は中級魔法『炎玉』の詠唱途中のヒナに叫んだ。
「なら早く言いなさい」
ヒナは詠唱を一時停止し言った。
「言うけど怒るなよ」
「ええ、怒らないから言いなさい」
「言ったな? 自分が言った事は守れよ?」
「ええ、守るわ」
「分かった、なら言うぞ」
「ええ」
俺はつばを飲み込み、そして口を開いた。
「さ、さっきからパンツが見えてる。 もちろん俺からしたら嬉しいんですけど、ヒナも女の子なわけで女の子の価値をさげたくないんです...ね...」
何かがもの凄い速さで俺の鼻先を掠めて隣の大木に突き刺さった。 俺は恐る恐る木に突き刺さった何かを見た。
「ひ、ひぃ?!」
俺は恐怖のあまり声が上ずった。
それは仕方ない。 何故なら、木に突き刺さっていたのは、黄色い液体が垂れている鉄のクナイなのだから。しかも黄色い液体はまさかの毒。
酷すぎる。 俺は毒状態になってしまった。
「ちょ、待っ、ど、毒とか死ぬ?!」
俺はアイテムストレージから解毒剤を取り出すためにまさぐり、思い切り自分の顔にぶっかけた。
「うっ、うっぷ、オェェェェェェェェェェ!?」
めちゃくちゃ臭い。 解毒剤はめちゃくちゃ臭い。 どうせなら甘い香りにして欲しい。
「ちょ、汚なっ?!」
「お、お前が毒付きのクナイ投げるからだろ」
俺はヒナを睨んで言った。
「え? 私、投げてないよ?」
「は? 嘘つく..... ヒナ?! 後ろ」
ヒナに向かって放たれた2本の毒ナイフがヒナの背中に突き刺さった。
「かはっ?!」
ヒナは地面に落下した。
「ヒナ?!」
俺は地面で血を流して倒れているヒナの元へと降りようとすると、俺の前を4本の毒ナイフが通過した。
「くっ?!」
俺は紙一重でナイフを避けた。
「どこにいる、どこから」
俺は周りを見渡した。 しかし、どこを見ても人影は見当たらない。
「クソ、早くヒナを助けないと」
俺は千里眼を発動させて言った。
どこだ? どこにいる...... 見つけた!!
俺は何本もの木々の密集部分に向かって
「焼き尽くせ!! 『炎獄の緋弾』ッ!!」
右手から放たれた何十発もの轟々しく燃え盛る炎弾が何本もの木々の密集部分を焼き尽くした。
「ギャァァァァッ?! か、体がぁぁぁぁぁぁぁぁ?!あ、熱い 焼ける アァァァァァァァァァァッ!?」
その焼き尽くされた木々から男が叫びながら飛び出してきた。
「出てきたか」
俺は破邪の魔銃剣の中心部分のシリンダーに六つの属性弾丸を装填した。
「死ね、『六幻硫弾』ッ!!」
俺は引き金を引いた。 すると、魔銃剣の銃口から六つの属性弾が放たれ、男の頭部、喉、胸部、腹部、下腹部、口内を貫いた。 血が吹き出る。 男は力なく地面に無残な亡骸を晒す。
「ヒナ?!」
俺はすぐさまヒナの元へと駆け寄り、解毒剤をぶっかけ、ヒナを背負った。
「大丈夫か? ヒナ」
「クロード.... 助けてくれてありがと.... すぅ..すぅ」
ヒナはお礼を言ってそのまま眠りについた。
「早くアルデミラ王国に向かわないと」
俺は『神速移動』を限界まで発動して闇夜に包まれたエンデュラの森を駆け抜けた。
☆☆☆☆☆
「着いた」
俺はヒナを背負いながらアルデミラ王国の入口を開けた。門を開けるとそこには人っ子1人いなかった。 しかも建造物はすべて崩壊している。
「どういうことだ?」
俺はあまりの光景に呆然とした。
「ぅ..ぅ」
何処からか男性の声がした。
「人の声?! 誰か生きてる?!」
俺はヒナを柱にもたれかけさせ、千里眼を発動した。
「あそこか?!」
俺は石材で出来た建物の残骸に向かって、手をかざした。 すると、建物の残骸が宙に浮かび停止した。 そして、そこの下には騎士の格好をした男性が倒れていた。
「大丈夫か?! 何があった」
俺は倒れている騎士の男性を抱き起こした。
「う、うぅ お、お前....は?」
その男性騎士は尋ねてきた。
「俺か? 俺はクロードだ」
「ク、クロード....聞いたことのない名前だな」
「そりゃそうだ。 俺はお前と初対面だからな」
「そうか....」
「って、そんなことより何があった?!」
「虐殺..,..」
「虐殺?! 誰にだ?!」
「分からない....気づいた時にはこの有様だ....」
「他に生存者はいるのか?!」
「恐らく、セリア様が城内にいるはずだ.... 頼む.....」
男性騎士はそれっきり動かなくなった。
俺は男性騎士を地面に横たわらせ、ヒナを再び背負ってアルデミラ城内へと向かった。
城内は沢山の引っ掻き傷があった。 しかも大きな。 その割には死体もない。 俺はしばらく歩いていると、1人の少女と1匹の小さな空飛ぶ獣が王座の門の中にいた。
俺は恐る恐る扉を開けた。
「君がセリアちゃんか?」
「あ?! 救世主様なのです!!」
「やぁ、待ってたよ 救世の絆の使い手諸君」
いきなり救世主と呼ばれました。
「救世主? いえ、人違いです」
俺はイヤイヤと手を振った。
「え? 救世主じゃないのなら誰なのです?」
「俺か? 俺は変態紳士クロード様だ!!
よーく、覚えておけ!」
俺は天に指を突きつけ決め顔で名乗った。
次回はまぁ、うん、考えてないので遅れます




