表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒼氷のゼニス  作者: 鶴琉世乃
第1部:第1章
40/199

第40話「第1回公式試合 その後3」

「第1回公式試合のまとめをしよう」


 今、俺と零璃れいり魅烙みらく澪雫みお痕猫あとねこ刑道けいちは。

 俺の部屋で打ち上げのようなものをしていた。


 する事は簡単、みんなで食材や飲み物を買ってきてプチパーティだ。


「結局、最後まで残っていたのは痕猫君だったね、1年生では」

「出来るだけ戦いを避けていただけだから。それよりも関帝零璃もすごかったじゃないか」


 零璃と痕猫刑道は早速、昨日の状況をそれぞれ誉めあっている。

 確かに、二人すごかったけど。


 魅烙と澪雫は、レモンティーでグラスを鳴らしている。


 同盟アライアンスのことについては、痕猫刑道以外全員がしっていることだ。

 零璃は最初から乗り気だったし、澪雫は所属していた同盟アライアンスが解散させられ俺の方に入ってくれるといってくれた。

 魅烙は入りたがっていたが、姉さんが「結成時から半永久的な協定を結ぶ」という名目上の妥当に収まっている。


 同盟アライアンスを結成するには最低でも5人が必要で、今の状態だと2人足りないんだよな。


 洸劔こうきを誘いたいこともあるけど、彼は彼でなんかいろいろ大変そうだから。


 ということでだ。


「ところで痕猫君」

「刑道でいい」

「刑道君、頼みがあるんだ」


 さて、零璃が痕猫刑道に勧誘を始めた。

 俺は傍観するだけでいいだろう、なんだかんだうるさくいっても面倒になるだけだし。


「ネクサスくん、何が飲みたい?」

「ん、何でもどうぞ」

「んー、はいっ」


 渡されたのは二人と同じレモンティーか。

 俺は澪雫と魅烙にそれぞれ乾杯をして、二人をみる。


 きょとんとする魅烙と澪雫。

 どちらも別の美しさがあり、どちらも否応のつけようがない美少女だ。


「何でもないよ」

「そう?」

「そうですか?」


 二人のタイミングもばっちり。

 これは、なかなかだな、本当に。


「わかった、僕も参加させてくれないか」

「本当?」


 勧誘の方は成功したらしい。

 それをみて魅烙が一人悲しそうな顔をする。


「……魅烙も、参加したかったにゃ」


 久しぶりに漏れ出た猫語は、いつもの明るいものではなく。

 底抜けに寂しそうな、そんな声だった。


 まあ、姉さんに再度掛け合ってみるか。

 俺はそんなことを思いつつ、ぽんぽんと彼女の頭をなでる。


「ところで、もう同盟アライアンス名は決まっているんだろう?」

「ああ、決まってるよ」


 俺の返事に、痕猫刑道は「ほぅ」と首を伸ばした。

 名前に意味があることを、きちんと理解している証拠だ。


「【ソキウス】」

「……えっ、それはマズくないか?」


 痕猫刑道じゃなくても、そういうことだろう。

 理由はわかっている。でも。


「俺は伝説の同盟アライアンス【ソキウス】代表の息子だから」

「いや、それはわかっているんだが。……あの、暗黙の了解としてされているのは知っているか?」


 ん、それは知らなかったな。

 彼の話を聞くに、今まで同盟アライアンス名を【ソキウス】にした同盟アライアンスはすべてほかの弾圧をうけてつぶされていったらしい。


「でも、それってバックがいなかったからの話だろ?」

「お、おお」

「今回は同盟アライアンス楽園エーリュシオン】が最初から協定を結んでくれるし、少なくとも俺にはネームバリューってものがあるだろうからさ」

「そうなの、かねぇ」


 少々不安げだが、最終的に弾圧されるも何も最終的には実力次第だからな。

 それを理解しているが、わかりたくないのか首を振る痕猫刑道。

 しかし、最終的には。


「……わかったよ。……これからよろしくお願いします」


 この人はよくわかってる。

 ……さすが、学園長の息子といったところか。







------------------------------------



「ねえ、何で八神やがみ魅烙をネクサスの方に渡さなかったの?」

「なぜだと思う? ヴァロッサ」


 私は、あえて自分の答えを言わずにヴァロッサに聞き返す。

 ヴァロッサはいっつもネクサスに甘い。

 何で甘いんだろ。弟分にみていたこともあるし、そもそも家族ぐるみで仲がいいからなぁ。


「試練を与えるため?」

「それもあるけど。魅烙ちゃんが、私たちと一緒にいて成長する幅と。ネクサスと一緒にいて成長する幅が違うと思うの」

「と、いうと?」


 彼女のその質問は、本当にわからないのか、わかっているけど私の意見を聞きたいのか。

 おそらく後者だけど、どうしようかな。


「なんでもない」

「……逃げたね」


 うん、逃げた。


「とにかく、私たちは一番上だから、これからもこの調子でがんばらないと。特に、ルールを把握できなくて負けないようにしてね」

「……うー!」


 気まずいのは知ってるけど、しょうがないからね。





 私たちには、やらないといけない義務って言うのがあるし……ね?

第1章の本編はこれで終了。ここまで読んでいただけた方、感謝感謝です!

次話からは1章の簡単なまとめを書いて、閑話を数話書く予定です。


閑話のリクエスト募集しております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ