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蒼氷のゼニス  作者: 天御夜 釉
第2部:第5章
194/199

第194話 「頂点《ゼニス》への生き残り戦 2」

 俺は一切の容赦なく、視界に入る敵全部に対して属性能力を発動する。


 人に容赦はあっても、能力は容赦を許してくれない。

 その言葉を裏付けるように、俺の発動した吹雪は、氷の塊は、そのまま敵にぶつかり、被害者は二転三転と地面を転がる。


「刑道、そっちはどうだ?」


 刑道は、フィールドを大きく隆起させている。

 俺も彼も、どちらも直接手はくださずとも、敵が勝手に自滅している有様である。


 こんな試合をみて、何故熱狂しているんだろうか、観客席は。

 このくらいオヤジの世代、普通だったんだろうと考えるとレベルの低下を感じる。


「よし」


 ……よし、俺はこれで終了。後ろを向き、ちょうど刑道も終わったのか、こちらを向く。

 ここから1対1だ。


 今まではずっと仲間として来たが、今日こそ好敵手ライバルとして向きあおうじゃないか。




「お前とずっと、戦いたかった」

「俺もだよ」


 刑道の言葉に頷く。確かに、ずっと戦ってみたかった。

 2年生のなかで、もっともな有力候補なんだから当たり前か。


 今まで、ずっと激突を待ちわびていたんだ。




 俺は後ろに体重をかけて蹴りを繰り出した。遠心力を利用して回転し、同時に右脚へ氷属性を有りったけ注ぎこむ。

 右脚が白く発光し、次の瞬間それは吸い込まれるが如く鳩尾へ。


 しかし、それをすでに。

 彼は見切っていたのか、バックステップで避けて。




 拳が飛んできた。


 硬化させているだろうから、完全に鈍器だろうな。

 そう判断して俺はそれを軽くいなすと、彼から一度距離を取る。


 振りぬいた拳圧で、地面に亀裂が入ったのが確認できて。


 俺は、当たらなくて本当に良かったと思った。


 さて、どうやって攻めるか。

 スピードに、ものを言わせてみるか?




 周りが一段階、遅くなったのを感じた。

 自分が速くなったのは確かだろう。同時に感覚も加速し、全てが冗長に……認識が移る。





「く、そ」



 ははは、刑道の言葉すら遅く感じるな。

 俺はほくそ笑みつつ、彼の下へと殺到する。



 同時に、右手へ武器を生成。いつもどおりの斧槍ハルバードではなく、片手剣を創りだす。



 そして、振るのではなく投擲とうてき

 属性のことも考えて、恐らく亜音速で吹っ飛んでいったんじゃないかな、と。



 風を切る音が、到達した後に遅れてやってきた。

 ソニックブームを生じさせながら、一直線に刑道の心臓へ。


 模擬戦だから死なないが、これで一撃必殺になりえるだろう。








「ほう」


 しかし、こつんとしょぼい音がしたかと思うと、剣はすでに霧散していた。


 ……押しつぶしたのだ、亜音速で飛んできた剣と、タイミングを合わせて刑道が。







「うっそだろお前……」





 おい、嘘って言えよ。怖すぎるだろ流石に……。

新作の学園モノを上げました。

タイトルは「四煌の顕現者-八龍ゼクスの学園記録-」です。

http://ncode.syosetu.com/n0245dc/



あと、ゼニスが終わったら次のお話も書きます。

タイトルはもう決まってて、「初焉終のウェルザンド」になると思います。

ネクサスの息子のお話です。

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