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蒼氷のゼニス  作者: 天御夜 釉
第2部:第3章
160/199

第160話 「会場解散のち」

 アライアンスの試合がすべて終了したあと、俺は自分の父親を見上げていた。

 こういう戦いは初めてだった。やっぱり、高レベルなものを眼の前でみせつけられると、やる気はでるね。


「鎌斬先輩、ありがとうございました」

「こちらこそ。いやぁ、龍拳術の発動タイミングとか、あとは弱点もわかったようなきがするよ」


 ちなみに、最後は父親の完勝で終わった。

 6対の翼を展開したかと思うと、なんか白い光線を浴びせられた瞬間。

 戦意喪失してしまったのだ。あれ? なんでこんなことをしているんだろうと考えてしまう程度には。


「最後のあれは何だったんだ?」

「ん? マジカル★シャイニーだよ」


 なんかはぐらかされた。彼によると、普通に鎮圧用なんだそうだ。相手の戦意喪失は狙えるが、精神に依存するもののため意思が強い人には効かないという。

 俺達に効いていたのは、本気とはいえども多少遊びという概念が頭のなかであったのかもしれない。


 まあ、それはいいとして。さて母親も到着したのかやってきたわけなのだが。澪雫はどうしても、なんだってさっきのあれは何だったのか、やっぱり話しかけづらいらしい。

 べつに正直、小さいことで。さらにちゃんと反省しているのなら母親は何も気にしないと思うのだが。


「こんなに楽しいことをしていたんだったら、もう少し早く来たほうが良かったのかも?」


 母さんも、なんだかんだ言って戦闘狂だからな。涼野流っていうのは受け流してからのカウンターがメインなんだし、自分から攻めることは殆ど無い。

 だから、遊びで自分から攻めるっていうのを試してみたいんだろうな。専ら守にかまえていたほうの原動力というものを、攻めに転じた場合どうなるのかっていうのを。


 たぶん、地上戦最強。能力を切り裂けるんだから、簡単に推測はできる。

 まあ、それも「一般の」という制約がつく。父親っていう人間とは、能力者と定義していいのかすら危ぶまれる存在はもちろん含まない場合での地上戦最強である。


「そうそう、澪雫ちゃん」


 と、母親は澪雫の方を向く。

 その手に持っていたのは一つの封筒で、それを見た瞬間彼女はブルブルと震えだした。


 いや、破門とかじゃないぞ、完全に。


「これはネクサスも聞いておきなさいね」

「ん?」

「来週、御氷一族の交流会が行われるから、是非参加してね?」


 交流会、俺って関係なくない?

 そう想ったのだが、そう思えば涼野家っていうのもその一族なんだよな。

 だから、そう考えればなんて言えばいいんだろう、俺も一応はそういう扱いになるのだろうか?


「一緒に行ってくれます?」


 澪雫の声がして、そちらの方を向いてみれば、破門されないという安心からか泣きそうな笑いをこらえている彼女がそう言っていた。

 交流会って言っても、5聖家に次ぐ一族だしなぁ。多分礼服で行かないと行かないんだろうけど、俺はアルカディアの礼服で問題ないんだろうか。


「うん、いいよ。行こう」

「喧嘩だけは、起こさないようにね」


 決闘ならいいけれど、と母親はどこかずれた言葉を発しながら、今日はどこに食べに行こうかと俺達へ笑いかけたのだった。


次回、というより次章から御氷編です。新キャラも幾つか。

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