表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紗奈と安心の物語  作者: たい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/63

少しずつ自然に


第二十七話では、莉奈の日常の変化が描かれます。


大きな出来事はありません。


けれど、小さな変化こそ成長の証です。


海辺へのお出かけから数日後。


莉奈は学校帰りの電車に乗っていた。


窓の外を眺めながら、ふと先週のことを思い出す。


紗奈たちと過ごした一日。


海。


夕陽。


たくさんの笑い声。


そして、自分で選んだ安心と一緒に出かけたこと。



「楽しかったな」


小さく呟く。


以前なら、


出かける前から不安ばかり考えていた。


けれど先週は違った。


もちろん少し緊張した。


でも楽しむ余裕があった。


それが嬉しかった。



その日の夜。


グループチャットが賑わっていた。


美咲が写真を送る。


海辺で撮った四人の写真だった。


「また行きたい!」


というメッセージも添えられている。



「私もです!」


莉奈はすぐに返信した。


すると美咲からスタンプが返ってくる。


紗奈も笑顔のスタンプ。


悠斗は


「次はどこへ行きましょうか」


と送ってきた。


自然と笑顔になる。



週末。


莉奈は買い物へ出かける準備をしていた。


特別な予定ではない。


近くのショッピングモールへ行くだけだ。


以前なら何も考えなかった。


でも今は少し違う。



机の引き出しを開く。


そして少し考える。


迷う時間は長くなかった。


「今日は持って行こうかな」


自然な気持ちだった。



その瞬間。


莉奈は少し驚いた。


以前の自分なら、


たくさん悩んでいたと思う。


でも今は違う。


必要かどうかを考えて、


自分で決められるようになっていた。



ショッピングモールへ向かう道。


空はよく晴れていた。


人も多い。


けれど不思議と落ち着いている。


前のように周囲ばかり気にしていない。



帰宅した頃には夕方になっていた。


特別な出来事はなかった。


でも、それで良かった。


楽しく過ごせた。


買い物もできた。


好きなスイーツも買えた。


そんな普通の一日だった。



夜。


莉奈はベッドに座りながら思う。


安心とは特別なものではない。


不安をゼロにする魔法でもない。


でも、少しだけ前を向きやすくしてくれる。


そんな存在なのだと思う。



スマートフォンが鳴る。


美咲からのメッセージだった。


「来月みんなでどこか行こう!」


すぐに紗奈も反応する。


悠斗も参加する気満々だった。


莉奈は笑う。


そして返信する。


「ぜひ行きたいです!」



少し前なら、


不安の方が大きかったかもしれない。


でも今は違う。


楽しみだと思える。


それが何より嬉しかった。



窓の外には夜空が広がっている。


莉奈は静かに空を見上げた。


小さな変化かもしれない。


けれど確かな変化だった。


安心できる場所は、


少しずつ広がっている。


そんな気がした。


第二十七話のテーマは「自然になること」です。


最初は緊張していたことも、少しずつ日常になっていきます。


莉奈は自分のペースで、一歩ずつ前へ進んでいるのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ