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犬も歩けば異世界に渡る 〜シーズー・ダームの充実したペットライフ〜  作者: 物部K
第一章

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8/8

赤子の手をひねるように

 さて、いつもならルシア様と一緒にマナー講座などを受けたりする時間なのだが、今日はやることがあるので別行動だ。


 まずメイドさんにブラッシングを頼んで、それが終わったらお日様が出てるうちに外で日向ぼっこをする。空気は冷たいがホットスライムがいるので寒くはない。


 あ、メイドさん。わざわざお昼寝用の毛布と籠を持ってきてもらってすいません。


 さて、今日やるべきこととは! ここ最近、配信はしてもコメントにリアクションせず、ただただ中継していただけだったため、その説明をするためにまとめ回として配信をしようと思っていたのだ。


 その配信タイトルがコチラ!


【色々と忙しかったので、流していた部分を振り返り配信】


:お、なんだなんだ? 今日はずいぶんと丁寧な配信タイトルだな。

:たしかにちょっと忙しかった感は否めない。

:中継するだけでコメントにもほとんど反応なかったもんね。

:今日もモフリみのある毛並み!


 配信開始してすぐにコメントが来るようになって嬉しいな。始めの頃はほとんどコメントなんてつかなかったのに……いつも通り約一名コメント内容がおかしいけど。

 俺の魅惑のボディが人を狂わせてしまうのか、罪深いな……


 とまあ、冗談はさておき。ちゃんと挨拶しないとな。


「あー、皆さん。お久しぶりです。配信はしていましたが、コメントにリアクションを返せず申し訳ありませんでした。ちょっとゴタゴタしてしまって、今日はそのことの説明を兼ねた配信です」


:なんかあったん?

:突然スライム取り出してたよな?

:そうそう。むっさいオッサンたちがなんか作業してた。あれは何作ってたんだ?

:お嬢様たちも見学?してたよね。社会勉強の一環かしら?

:ノイルちゃんもいた! バーバラ様とてえてえだった!

:ノイルくん、だろ……てえてえは共感するが、視点が違うんだよな……


 おぉふ、さっそく「ノイルちゃん派」と「ノイルくん派」が現れた。うぅむ、ややこしくなるから、ここは触れんとこ。


 まずは何があったか、か。


「実はですね、ちょっとこの領地で塩の独占騒動が起きていたんですよ。それを解決するためにアレコレと動いていまして……それで今年もバーバラ様やフィーネ様が来ている中だったので、社会勉強になるかもと思って、塩の生産施設で見学ツアーみたいなことをしていたわけです」


:塩の独占!? それはかなりやばいんとちゃうか!

:あれは塩だったのか。なんかスライムがカプセルみたいなの生んでたけど。

:果たして、あれは生むでいいのか?ww

:作る工程見てたけど、異世界ならではって感じだったな。

:プールみたいに枠作って、その中でスライムがぷかぷか浮いてる光景には笑ったww

:職人っぽい人がスライムをなでてる姿にはほんわかした。

:お嬢様たちはそのスライムたちにかなり興味津々だったな。


「ああ、騒動自体はもう解決してるんですよ。独占しようとしてた商会はもう潰れていますからね。今は王都に塩のサンプルを送ってあって、毒性の有無を確認してもらっています。ああ、もちろん無害だというのはこちらで食味してすでに確認済みです」


:解決してるのか、よかった……

:相手が悪かったな、その商会もww

:ほえー? なんでまた王都に?

:あれだろ、モンスターを経由して作られたものが安全であるかの証明でしょ。

:たしかに、モンスターって言われるだけでちょっと忌避感あるかも。


 うんうん。やっぱ安全であるかは大事だよなー。俺だって、気になっちゃうし。


:それで? 夜にお嬢様たちは何を真剣に遊んでたんだ?

:あ、たしかにあれ気になった。

:なんかヒットだの、ブローだの言うてたけど。


「ああ、あれはヌメロンを教えたんですよ。数字当てゲームですね」


:あー、ね。ヌメロンね。うん、美味しいよねあれ。

:絶対わかってないだろww

:んで、ヌメロンってなんなの?


「説明しよう、ヌメロンとは――!」


 秘密の三桁の数字をお互いに設定し、それを予想して当てる論理思考を鍛えるゲームなのだ!


 2ヒットと言えば、予想した数字と数字の位置が合っている数が二つある。

 1ブローと言えば、予想した数字は合っているが、位置が違うということになる。


 このように「数字を宣言」して、「何ヒット、何ブロー」と返事をもらい、相手の数字を当てるのだ。ちなみに、返事に嘘を返すのはご法度だ。どのみち、最後にはおかしいことに気づくので、そんなことをする意味はないのだが。


:面白そうなのはわかったけど、あのときのお嬢様たちのやる気はおかしかったぞ?

:たしかに。なんつーか、こう、鬼気迫るというか……

:フィーネ様すら眼鏡の奥の目がギラついてたような?


「あー、あれも訳があってですね……ついうっかり、ご褒美として俺のスキルで何か作ってあげますよって言っちゃったんですよね……快適ケトルとかどうですか?って」


:ほお? またなんか面白機能付きのケトルか?

:快適ってくらいだから、便利なんだろうな。

:加熱に冷却、それから保温、保冷にも対応してそう。


「それはもちろん対応してます。魔力注げば何度でも使える、バッテリー代わりの魔石付きで……それだけじゃ面白くないんで、泥水すら浄水化しちゃう機能も付け、普段はキーホルダー並みに小さくなって、サバイバルにも使えるようにしちゃった☆」


:しちゃった☆ じゃないんだよなあ……

:なんでそんな盛り盛りにしちゃうのか、この犬は……

:遭難する予定でもあるのか?


「そうなんですよねー。あ、ダジャレじゃないですよ? その心配があって、結局お嬢様たち全員に渡しちゃったんですよね。微妙に魔石の色を変えて、オシャレでお揃いのものにしました。なんならケトルの底に、俺から食料を送れる狭いスペースもつけましたからね」


:過・保・護! まあ、でもそのくらいしてもいいか。

:そうだな。お嬢様たちに何かあったらまずいし。

:それよか、バーバラ様やフィーネ様はもう帰ってしまったん?


「はい。お二人とも、もうそれぞれの領地に入った頃でしょう。次に会うとしたら、学園入学前になると思います。試験対策を三人でして、王都に一緒に向かうと約束していましたから」


 貴族の子は十歳になると、ほぼ強制的に貴族学園に入学しなければならない。


 これは王国法で定められていて、よっぽどの理由がなければ避けられないのだ。病弱で家を出られない、などといった理由があれば入学を遅らせることは可能である。


 その際にはやや難易度の上がった試験を受けて、その理由に見合った成績を示さなければならないけども。


 まあ、三人とも元気いっぱいなので入学自体に問題はない。

 問題はクラス分けだ。入学試験の結果でクラスが分けられてしまうので、三人一緒となるとややフィーネ嬢が心配になる。


 これは貴族の家格によって、受けられる学習内容に差が出てしまうので仕方がない。とはいえ、フィーネ嬢も子爵令嬢。そこそこなレベルの家庭教師はつけてもらっている。


 だが、それでも足りない部分はどうしても出てしまう。特にマナーや知識を伴う学術は明確に差が出やすい。


 そしてそれを補うために、ルシア様やバーバラ嬢が協力している。もちろん俺やノイルくんもだ。


 俺からは科学としての雑学、ノイルくんからグレイス様やメイドたち直伝の女性の所作を学んでもらった。ノイルくんからの女性の所作に関してはバーバラ嬢も感心するほどだ。


:ほおほお。じゃあ、しばらくはイベントなしか。

:なら、またスライムで何か作ろうぜ!

:作った商会にもしばらく顔を出してないだろ? 新作持って行ってやろうぜ。


「そうですねー。そろそろ商会にも顔を出してあげないといけないか。売上とかの話も聞いてあげないとだし……何か面白いおもちゃとかアイデアありますか? スライムも現状、温めるとか冷やすだとかだけですもんね~……」


:はいはい! 送風機能の付いたスライムとホットスライムで温室作りたい!

:美容系に手を出せば間違いなくない? スライムで毛穴の汚れを取るとか?

:ボードゲームをルシア様に用意してもらって複製だな。

:ポーカー流行らせようぜ、テキサスホールデム!

:ギャンブルじゃねえか……カジノ作ろうぜ!ww


 う、うーむ……みんな好きかって言ってくれよる……


 まずは温室か。食品系も手を出したいところだけど、また怒られそうなんだよなー。

 塩でもお世話になったあのチドリ商会に食品関係を任せてはいるんだけどさ……「ウチは農家じゃないんだよ!」って、頬をムニムニされる気がする。


 それだけの数の農家と契約させたから、仕方ないんだけども……でも、美味しい思いはさせてるんだから別にいいじゃんね! 色々と食材も揃ってきたし、今度はレストランとか頼んでみようかな?


 次に、俺の要望のおもちゃ関連。娯楽系のボードゲームは貴族の方にウケると思うけど、一般庶民には受けないからなー。そんなものを買う余裕がないってのがつらいね。


 以前持って行ったそろばんは数字を覚えるのに役立つって、どちらにもウケがよかったからそういった知育系のがよさそうなんだよな。


 ギャンブルに関連するカジノは、国の法律に触れそうだから却下。

 あ、でも駄菓子屋にあったメダルゲームくらいならいいかな? これは考えてみるのもありよりのありだ。要検討ってことで、心のメモ帳にメモしておこう。


 基本的におもちゃ関連はちょーっと案が出るまで保留にするしかないかな……ルシア様の手を煩わせるほどのことでもないし……本人は面白いものには興味を示すだろうけどね。


 それから美容はハズレなし、か。うん、考えてみるのもよさそうだ。

 一匹のスライムに機能をどう盛るか考える必要はあるけど、機能ごとに分けてスライムを作ってしまえばいけると思う。


 よし、まずはスライム美容マッサージ店。始めてみるか!

 商人ギルドに話を通すために、さっき考えた試作品をお土産に持って行ってみようっと。きっと気に入ってくれるはずだ。


 てなわけで、配信はおしまい。いつもどおりの挨拶をして、次回予告も入れておく。

 作業中は退屈だからね、見せることもないよ! 驚かせたいのもあるけどね!


 さーてと、美容スライムはグレイス様に相談からだな。貴族の伝手とお土産を持参すれば、商人ギルドなんて赤子の手をひねるように簡単に御せる。


 自分の商会に顔を出すことも忘れないようにっと。


 今後の予定を立てつつではあるが、将来的な儲けの予感を感じて笑いが止まらないぜ。ナーハッハッハ!

ちょっと余裕がないです。ルビ振り、あとでしようと思います。

更新頻度が落ちるかもです……

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