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セレブロ

アベストロヒの相棒探し、これにて完結


 私は、一路星系外縁部に待機する居住区イムドゥグドに向かっていました。


 アシル城からヴィマーナに戻った私は、現地調査隊ナブーのメンバーを緊急招集しました。

 メンバーが揃うまでの間に、私の不在中に副隊長が議長としてアシルの森で撮影されたナブネイドと低温のマナの関係性の小会議を行っていたことを確認しました。議事録は結論は保留という事になっています。

 私の私事でみんなに心配をかけてしまった、と改めて実感させられました。隊長であるというのに、身勝手な申し出だというのに、一方的なわがままと言っても過言ではないのです。

 そこにチームナブーのメンバーが会議室に入ってきました。


「アベストロヒ、ナブネイドは…」

 聞かれて私は首を横に振りました。


 しかし、ナブネイドと最後に逢えたこと、砂漠の第二王子と邂逅を果たした事、神殿での調査研究が許されたことを伝えると、その場にいた全員が興奮した面持ちで、歓声をあげ、感嘆のため息をつきました。

「嘘だろう?」

「なんてこと……」

「本当なのか、アベストロヒ」

「これは、嘘偽りなく真実です」


 そして、言葉の限りを尽くして現場の状況を説明をしたうえで、私は隊長を辞退することを皆に伝えました。

「なぜだ、アベストロヒ」

 私は、ヴィマーナに帰還中に起きた出来事を打ち明けました。

 あのアシル城での一連の体験は言葉では語りつくせない、見たこと聞いたこと感じたことを、できるだけ正確に。詳細に。報告書にまとめなくては。私は筆を走らせキーボードを打ち込み始めて、指が止まったのです。

 ですが、私の見聞きし体験した記憶、沸き上がった感情と、文字から受けるニュアンスが、違うのです。

 語彙を尽くしても記憶から文字に言葉に媒体が変換しただけで全く別のものになってしまいます。これでは全てが伝わるとは思えません。

 私は決意しました。

 この記憶が風化する前に、まだ彼らと交わした言葉の端々が、感情のやりとりが、正しく鮮やかにとどまっている状態を保持したまま、セレブロにはいることを。



 イムドゥグドでは最新の医療班が全ての準備を整えて私を待っていました。

「では、始めます」


 それが私が聞いた最後の言葉でした。





 数時間後、アベストロヒの脳と脊髄神経の中枢神経系と末梢神経系がセレブロに接続された。

 ニューロン、シナプスの電気信号の伝達が正常に伝わっている事を確認したところで、研究員たちは、セレブロが微細な振動を発している事に気づいた。

 最初にその現象をチェックした研究員は、「まるでセレブロ全体が歓喜に震えているように感じた」と語っている。



 終




エンキとナブネイドとアベストロヒはね、うん、最初からこうするっていうか、本当はやっぱりナブネイドが死んじゃってたことにショックを受けてセレブロでメンタル治療エンドの予定だったんだけどね

なんか自分からセレブロ入り宣言しよったよってちょっと驚いてる

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